(戴が投稿致します)
さて、皆様昨日のブログ
「序章【速報】2017年輸出データ:本当に海外チャンスあるの?」はご覧になりましたでしょうか?
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まだの方は是非先に読んで頂きたいです。
<<<<以下記事の一部抜粋
日本酒の輸出数量は23,482klで前年比19.0%増、
金額は186億7,918万円で19.9%増となり、
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本題です。どう思われましたか?
【前提:中小の地酒蔵の視点で考えて下さい】
以下のように思いました?
①日本酒輸出市場マジ将来明るいな!これから積極的にやってみたい
②え、全然今のところ、広い意味で入れる空間ないじゃん・・・汗
③その他の意見
①ですか②ですか?それとも③?
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我々の意見は「慎重に正しく動かないと②になる」です。
割り算
186億7,918万円÷23,482kl(k=1,000)=795円/L
795円/Lです!
ふふん〜なるほど、と思っている読者の方、この金額ってどんなジャンルのお酒でしょうか?
大衆酒の価格帯じゃないですか?
この価格帯で純米吟醸や純米大吟醸出せますか?
【酒蔵の方】貴蔵の大事なお酒の特約店への卸価格を思い浮かべて下さい。
(心の声)「安すぎません?これでやれますか?国内にこんな価格で出したこと有りますか?」
はい、殆どの蔵が無理だと思います。
考えられるケースは2つ
(1)大手酒蔵(菊正宗?大関?等)が規模の原理を活かして、
この金額でも採算十分合うから輸出している
(2)よほど数量を出して「スーパー薄利多売」方式で期待利益を下げて、
地酒蔵が輸出している
統計は実態という前提に立つと、
(1)と(2)共に有りえます。
でも我々は圧倒的に(1)の割合が高いと思います。
以下を御覧下さい。
確かに右肩上がりに数量は伸びている。でも割合で言うと全出荷量の3.5%(H28年)しかない。
誰が輸出やっているの?と思いませんか?
実態はこれです。
まず上記資料での大手酒蔵とは「大手(製造量1.3千kl以上/年)」です。
■大手は業界において6.6%しかいないのに、
輸出量の71%がその大手■
■更に輸出者の約71%は輸出量5kL未満■
<結論>
上記赤文字より(1)が実態ではないかなと思います。
だから輸出価格が795円/Lなんですね。
大手しか輸出市場をEnjoyしていないと
言っても過言じゃない。周りで地酒蔵の方で
輸出の話になると笑顔になって「儲かってしょうがない」
という表情の方っていますか?多分稀です。
何故なら現実あまりいないと思うので。
現実は厳しいですが、上記状況はこれからも続きます。
大手は規模の原理が活きるので。
私のメッセージは「輸出辞めようよ、
望みないよ」ということではありません。
言いたいことは「新聞やどっかのレポートの薄っぺらい情報のみ
を鵜呑みにして大事な意思決定を間違えないで下さい」です。
「正しく実態を分析、把握した上で、勝負するのか、どれぐらいのリスクを取って
挑戦するかを決めて下さい(もしくは挑戦しないのも然り)」です。
以下図の①の蔵程、安易に突っ込むと致命傷となります。
実は輸出市場は健全に成長していないんじゃないのでは?というのが我々の持論です。
現時点で検証は難しいですが、国内の消費量の減少量と輸出量の増加量を比較した時に
国内需要減の数量が輸出にシフトしているだけなのでは?という仮定もできます。
ここまでネガティブな内容でしたが、これは多くの方が情報を読み間違えているのでは?
と問題提起をしたかっただけです。
我々は海外市場に対して可能性しかないと思います。
海外に飛んで目で見て、感じたことです。
だって、大手酒蔵の顧客と地酒蔵の狙う顧客は違うので。
ある意味ライバルではないです。
彼らと同じ戦略を取れもしなければ、取る必要もありません。
当たり前ですが、正しい方法で愚直にブランディング、マーケティングするのみです。
急に流行る魔法の道具はないので 笑
でも知ってますか?それを海外の代理店?卸し?小売はできていません。
もしくはしていません。ただそれだけです。
実際に日本の定価の3-4倍で売れている地域も国も多々あります。
それを偶然の産物として見ているだけじゃなく、我々は狙って、
コントロールして作っていきます。
訪日外国人がこれだけ増え、世界で和食がこれだけブームに成ると、需要は間違いなく増えています。
然し、現場では↓こうなんですね。
顧客はがっかりして、ホンモノに飢えています。
勿体無い。。。。。
我々は健全な市場成長を促し、
業界関係者全てが恩恵を受けることを願って努力しています!
疑問や関心があれば、本音で話しましょう!
言いたかったことが言えたので、今回は以上です。
次こそは価格の概念に関して書きたいと思います(笑)
現場からは戴でした。
続く