非常に分かりにくいですが、メロンのハウスです。場所は熊本県鹿本郡植木町です。
更にその拡大図です。
更に更に拡大図です。
わかりにくいですが、下のほうがひび割れていますが、これがネットになります。
メロンは無登録農薬の問題の際に「ナフタリン酢酸(通称ナフサク)」が使えなくなりました。
ナフサク自体が人体に害があるというような話が主流になっているようですが、それがはっきりとは証明されてはいないと認識しています。
しかしメロンに対してナフサクが登録を取ってなかったことは事実のため、使用禁止になりました。
ある町では使用禁止後に何人かの農家さんがナフサクを使用したために、その部会のメロンが一時期出荷停止になったほどです。
ナフサクを何のために使用していたかと言うと、「玉を緩ませるため」です。
玉が太るには表皮がカチンコチンに固まっていては太りません。
そこでナフサクを使うとどんな状態の玉でも緩むのです。
結果それは玉太りをするということになります。
では、ナフサクの代薬ってないのか?って話ですが、確かに代薬がでました。
名前は「エルゴール」です。
しかしこの薬はフィガロンが1%入っているために、根を傷めるために樹勢を落としてしまいます。
そのために数回使ってみてだけで今となっては使用している人は少ないように思います。
ではどのようにしたら玉を太らせることが出来るのでしょうか。
理論上は簡単なことです。
1、根をしっかり張って樹勢を保つ。
2、株間をそれまでよりも空けて、根が張るための場所を作ってやる。
3、後はとにかく樹勢を保つことを心掛ける。
もちろんこの他に温度管理は重要です。
よく考えてみると、上の3つは植物の基本中の基本です。
つまりは一番の一歩目に戻ったと言うことです。
まぁ、この基本ってものが一番難しかったりしますけどね。
しかし私の立場としてはナフサクが使えなくなったことは、良かったんじゃないかと思います。
農家さんがメロン栽培とはどんなものだったかを再認識することが出来たんじゃないかと思います。
「根はそこそこ張っていればそれでいい」、「樹勢も枯れさえしなければそれでいい」という考えから脱却することができたからです。
何にでも当てはまると思いますが、基本を忘れてしまって先に進んでもそれは長続きしないと思うからです。
そんなことで現在のメロン農家さんは今までよりも頑張って栽培されています。
最後にもう1つ思うことは、どんな状況になっても自分達で模索しながら生きていく方法を考えていく農家さんのたくましさと植物の力の可能性を感じました。