皆さんこんにちは。
ATSUSHIの談話室です
このブログでは、
「日常に+1の知識」
をコンセプトに皆さんの生活をより豊かにしてくれる情報を発信していきます
今、
世界中で接種が進んでいるワクチン。
皆さんはワクチンがどういうもので
どんな役割があるかご存知でしょうか??
とりあえずよくわからないけど、みんな打ってるから打とうかなと思っている方も多いのではないでしょうか??
一言でワクチンといってもワクチンには様々な種類があります。
今回はそんな
今知りたい「ワクチン」についてまとめてみました。
ワクチンとは人工的に抗原をカラダに投与し自分の体の中で免疫を獲得させる能動免疫になります。
<ワクチンの分類>
・生ワクチン
・不活化ワクチンー遺伝子組換えワクチン
ーコンポーネントワクチン
ートキソイド
・ペプチドワクチン
・mRNAワクチン
・ウイルスベクターワクチン
・生ワクチン
細菌やウイルスを感染しても発症しない程度まで弱毒化した
「生きた抗原」
を投与する方法。
生きた抗原を投与するため本来の免疫に似た免疫を獲得することができ、
細胞性免疫・体液性免疫の両方を獲得することができます。
(例)麻疹・風疹ワクチン、結核(BCG)ワクチン、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチン、水痘(みずぼうそう)ワクチン、ロタウイルスワクチン
・不活化ワクチン
細菌やウイルスを死滅させ、病原性を完全に無くした
「抗原の死骸」
をカラダに投与する方法。
細かく分けて、
「遺伝子組換えワクチン、コンポーネントワクチン、トキソイド」
があります。
ー・遺伝子組換えワクチン
従来のワクチンのように抗原となるタンパク質やウイルス粒子を接種するのではなく、
「目的の遺伝子を組み込んだウイルスを直接接種」します。
これにより、ウイルス感染と類似した作用機序により免疫を惹起するため、持続的に体液性免疫と細胞性免疫の両方の免疫刺激を引き起こすことが可能で、従来のワクチンよりも高い免疫反応を惹起することが期待されています。
(例)B型肝炎ウイルスワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン
ー・コンポーネントワクチン
病原体の中で
「抗原性を示す部分だけ」
を投与する方法。
(例)百日咳ワクチン、Hib感染症ワクチン
ー・トキソイド
細菌が出す
「毒素」
をホルマリンなどで無毒化して、免疫にだけ反応するようにしたものを投与する方法
(例)破傷風ワクチン、ジフテリアワクチン
・ペプチドワクチン
ペプチドワクチンは現在、「がん」の免疫療法して用いられています。
がんに対する免疫を高めることによりがんの進行を抑え、さらには体内に残ったがん細胞を「減らす/消失」させようとするものです。
がん細胞は正常な細胞には存在しない独自のタンパク質を持っています(これががん細胞の目印になる)。そして、その「がん抗原」となる
ペプチド(タンパク質)
を免疫反応を促進する「アジュバント」という物質とともに投与します。
・mRNAワクチン
抗原タンパク質をコードする
「mRNA(ウイルスの設計図)」
を封入した粒子を投与する方法。
注射されたmRNAが局所の宿主細胞内(筋肉)に取り込まれ、設計図を基に工事(この事を「翻訳」と言う)すると、抗原タンパク質が産生され, そのタンパク質に対する抗体が体の中で作られます。
(例)新型コロナウイルスワクチン(モデルナ、ファイザー)
・ウイルスベクターワクチン
ヒトに対して無毒性または弱毒性の
「ウイルスベクター(運び屋)」
に目的の抗原タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ組換えウイルスを投与する方法。
ヒト体内で複製(コピー)可能なものと不可能なものがある。
(例)エボラウイルスワクチン、新型コロナウイルスワクチン(オックスフォード、アストラゼネカ)
「ワクチン」は感染症を予防する目的が大半ですが、中には感染症のワクチンではなく非感染症のワクチンも存在します。
ワクチンによる予防・治療ができる可能性がある非感染症疾患には、
アルツハイマー病、
高血圧、
糖尿病、
パーキンソン病など
があるそうです。
その中でも今回は、
アルツハイマー病のワクチンについて触れていきます。
アルツハイマー病には
「若年性アルツハイマー病」と「老年性アルツハイマー病」の2種類があり、
大半は60歳以降に発症する老年性アルツハイマー病です。病態としては不可逆的な進行性の脳疾患で、脳の神経細胞内に「アミロイドβたんぱく質」と「タウタンパク」が徐々に蓄積し、脳神経が壊されていきます。
その結果、記憶を司る「海馬」がダメージを受け、記憶がどんどんと失われていき、
認知症になってしまいます。
そのアルツハイマー病の原因となるアミロイドβタンパク質を減らしてくれるようなワクチンが今研究されているようです。
超高齢社会の現代においてアルツハイマー病は深刻な疾患であり、今後のワクチン開発に期待です。
今回はワクチンについて、まとめましたが、いかがでしたでしょうか?
ワクチンの種類と特性について理解して正しい判断ができるようになりましょう
<参考>
・ワクチンの現状と課題
野崎周英 熊本保健医科大学保健科学部
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpstj/76/1/76_4/_pdf/-char/ja
・感染症の予防を目的とした組換えウイルスワクチンの開発に関する考え方
https://www.pmda.go.jp/files/000226581.pdf
・公衆衛生がみえる 2020-2021
・ワクチン療法(ペプチド・DC)
日本がん免疫学会
https://jaci.jp/patient/immune-cell/immune-cell-07/
・新型コロナウイルスワクチンの国内導入にあたってーmRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの基本
NIID 国立感染症研究所