まぼろしの3日間と称したコース料理の提供が終了しました。
いやぁ、ホントに面白い3日間でした。


3日間とも、基本的な構成は変わっていないのですが、
荒巻さんが築地に仕入れにいった具合によって、
コース料理の組み立てが変わって、新しい演出が取り入れられたり、
多田さんは多田さんで、お客様の会話をヒントに、
その日に使用するお酒をアドリブで提供したりと、
結果的に3日間とも、まったく違ったお酒の席となりました。


やはり思ったんですけど、お店ってお客様が作るもんなんですね。

特に僕らのお店のようにカウンターのみのスタイルとなると、
お客様と僕らだけでなく、お客様同士の会話も生まれ、
お客様がお酒の席を作っていっているという感じがしてなりません。


お茶で「一期一会」や「一座建立」という言葉がよく使われますが、
あぁ、それってきっとこういうことなんだなと、
お茶とお酒というテーマの違いはあれども、
そんなことを考えされられた3日間でした。


その日、初めて出会ったお客様同士が、
料理とお酒という共通体験を通して、親交を深めていく。


もしかしたら、またお店か、どこか別の場所で出会うかもしれませんし、
反対にもう二度と一緒に出会うことがないかもしれない。


でも、今この瞬間、このお酒の席を共に楽しもうと、
いい意味でお客様同士が気遣い合い、
また僕らも、できるだけお客様と呼吸を合わせようと、
目の前で展開される会話をヒントに、様々な演出を取り入れていく。


こういうお酒の席って、ホントにすばらしいと思いますし、
お客様からも既にリクエストをいただいている通り、
このスタイルは、毎日ではなくとも是非続けていきたいですね。


今日、多田さん、荒巻さんと話をしていて、
今後このコースのスタイルを「和酒懐石」と呼ぶことにしました。


料理もお酒も完全お任せのフルコース「和酒懐石」。
当面は、お客様からのご要望があり、且つ人数が集まったときだけ、
やらせていただきたいと思いますが、
一度体験すれば、きっと病みつきになること必至です。


何たって、美味しい料理と美味しいお酒、
そこにいろんな人との出会いが加わるわけですから、
面白くないわけがありません。


「和酒懐石」、我ながらナイス・ネーミングです、笑。