僕は選挙で「改革は一年では達成されない。自分達の代で道半ばで終わらせることなく、次世代に引き継ぐことで、長期間かけて着実に進めなければいけない。」と、主張した。しかし、これはつまり今自分達が行なっている改革は、必ずしもそのまま自分達がその恩恵を受けられるわけではないということを意味する。

僕は改革を訴える生徒会長として、全校生徒がどれだけこの事実に納得、あるいは「妥協」してくれるのかに非常に興味があるし、一種恐怖も抱いている。

というのは、民主主義で選ばれたリーダーが改革を実行するためには、選んでくれた有権者の支持がコンスタントに得られなければならないからだ。一度選ばれたら、あとは好きに権力を振るえるわけではない。やはり、いかに全校生徒が僕を支持してくれているかによって、実際に改革を実行する仲間の信頼や僕自身のメンタリティも変わってきてきまう。


このことに考えを及ぼすとき、やはり冒頭に書いた「改革の現実」は全校生徒にも僕にも耳の痛い話だ。

しかし、僕の主張は正しい。生徒会というのは大きな川の流れのようなものだ。その流れを、代が変わる度に堰き止めるからいつまで経っても改革は成功しない。「国家100年の計」という言葉もある。

そろそろ、僕たちは自分達の代の利益だけではなく、僕たちの先に連綿と続く未来世代の利益も考えなければならない。