開歌-かいか- は、2019年5月にデビューしたアイドルグループで、sora tob sakanaと同じく「ふらぷろ生」からの流れを持つ(というか同じ事務所オレンジターキー所属の)グループである。
その開歌の「青い花の名」は、2023年1月17日リリースのアルバム『日々』に収録されている曲。
2022年2月リリースの前作アルバム『折々』では、それぞれ作曲家が異なるメンバー4人それぞれのプロデュース曲があったり、ポップしなないで提供の曲、そしてメインコンポーザーであるタカハシヒョウリさんの曲と、盛りだくさんだったのだが、
そこから1年後の『日々』では、5月の佐々木亜実さん卒業や9月の山村伶那さん加入を経て、新たな段階に立つ開歌の歌が収められている。
このアルバムには個人的今一番好きな開歌の曲である、「シリウスにマフラー」や、励まされ効果抜群の応援ソング「春は絆創膏」もあるし、南雲咲楽さんが3月に卒業した後も
今年の皐月歌のテーマソングだった新曲「TOWER」や、超楽しいライブ盛り上がり曲「超明快自分自身」といったタカハシヒョウリさんらしい曲だって次々追加されている。
そんな中、異質といってもよさそうな感じの曲調である「青い花の名」についてなぜ書きたいと思ったかというと、この歌をやれるアイドルグループは開歌しかいない!と思うところがあるからだ。
普通アイドルの曲といったら、まずは客席を沸かせてなんぼ、みたいな所があると思うが、この曲はご覧の通り会場の雰囲気を一瞬で変えて世界に引き込む曲である。もちろんアーティスティックな曲をやっているグループはたくさんあるが、まさに歌の花々というべき楽曲のバリエーションと、それをパフォーマンスする表現力が開歌ならではだと思うのだ。
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開歌が始まった頃は、元アイドルネッサンス百岡古宵さんを中心としたコーラスグループといった印象を勝手に持っていて(私はその頃のライブを全然知らないのですが)、去年2022年5月のワンマンライブ“皐月歌”の頃には、完全に4人それぞれの持ち味を活かし合うステージに進化していたと思う。
(その時は撮影チケットというものが販売されたのでレンタルした機材を手に撮影したのですが、結局カメラ買おうと思ったのはこの時の経験が決定的だった)
その中でメンバーの渡邉陽さんは去年のTIFの時点で、ガラスガール取材班に見初められるほどでしたが、
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その一方でステージでの渡邉陽さんは、というと(個人的感想ですけれど)デビュー当時から、実に丁寧な歌声だなあという、サッカーにたとえれば(謎のたとえ)、受け手(聴き手)の足元にピタリと合わせる美しいパスの出し手というイメージでしたが、
それが去年や今年を経て今の開歌のライブでは、時に佐々木亜実さんの力強さを思い起こさせる、自ら決めに行くハードヒットな歌い方や、南雲咲楽さんから受け継いだような、聴き手の心を奪って華麗に抜き去る可愛らしいフェイントの効いた歌い方(謎の説明)のように、卒業したメンバーが残した技というか作り上げてきた楽曲世界を引き続き体現していて、この表現力がどこまで行くのかと、毎回驚かされる。
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話を「青い花の名」に戻すと、作曲の折花徒さんは発表当初正体不明だった(と思う)のだが、ハイスイノナサの最終段階(というか現在の)メンバーの一人である岡地織花さんであり
本日発売 開歌-かいか- mini album「日々」M7「青い花の名」折花徒で作詞作曲編曲しました
— オリカ徒 (@orikaokachi) 2023年1月17日
若者の大切な今を邪魔するものはこの曲で殴るみたいな気持ちで提供しました 12月からライブで披露されてきてより美しい一曲へ育んでいただきありがとうございます リリースおめでとうございます#開歌 https://t.co/TpiJDaX6mV
(とかいいつつこれを書いているヤツはsora tob sakanaのファンを騙りながらハイスイノナサのライブには一度も行ったことが無い点に注意)、
歌い出しの静謐な感じからコーラスが絡み合い少しずつ少しずつ高まっていく感情、山村伶那さんの歌う“忘れられない”、そして再び湧き起こり走り出す鼓動、クライマックスのユニゾン、静謐に帰るラストと、攻めた振付も含めて演劇作品を観ているような大作である。
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…という作品だけに、個人的気持ちとしては、ライブでの感動はこれからまだまださらにすごい体験になっていくのではないかと、超勝手に期待を高めている曲でもあり、ライブでこの曲が来ると、私は曲調と逆に内心めちゃ盛り上がってしまい、おおおきた…!という鳥肌感がある。こういう曲があるので、開歌のファンはやめられない…という気持ちになる…。今年のTIFや山村伶那さんの生誕祭でもセットリストに入っていて、次に聴ける時がすごく楽しみだ。