莉「おちゅうじだいはっけん。」

妹の元気な声に、ハッと我に返った。

とたとたとた。

小さな足音が扉の向こう、
廊下をかけていくのが聞こえる。

それが止まったのは脱衣所。
今度はコチコチという音。
お風呂場のドアを叩いているのだろう。

莉「ママ、おちゅうじあったよ、

だいはっけん。」

大発見は莉菜に取って毎日の事。
だけど………

「おちゅうじ」

ってなんだろう?

莉菜がガラスを叩き続けるので
ママがドアを開けたようだ。

(りな?)
と呼ぶ声にザッと水音が重なった。

ママはお風呂掃除中。

手が離せない時に大発見する事は
莉菜の特技だ。


(ストップりな。

お風呂掃除終わるまで待てる?)

莉「りな、待てる。

ママおちゅうじだいはっけん。」

莉菜、あんたそれ待ててないよ。

私はこっそりツッコミを入れる。


妹の莉菜は3才。
口が達者な…ううん、口だけが達者な
3才児だ。

ママの邪魔しないで
こっちで一緒にテレビを見ようよ。
ほら、話題が変わった。

人気子役のバースデーだって。





(あら、りな⁉)
ハッとしたようなママの声が聞こえて
私もハッとする。

(これ、どこから?どこで大発見したの)
莉「あっちの部屋でしゅ!」

莉菜は得意そう。
褒められたわけじゃないのに。


(りな。あっちの部屋って?)

莉「写真の下。」

写真というのはお仏壇の事。

(お仏壇の下?

あぁあそこ開けちゃったのか……)

ママの声はため息混じりだ。



最近ひいばぁが死んじゃったから、
莉菜の気を引いたんだろう。


狭間にいる間、この世の事は見えてるのかな?

ひいばぁはテレビを見てたのかな?



≧(´▽`)≦アハハハ

私ったらひいばぁのことばっか。

相当ひいばぁっ子だったのかな?
ひいばぁっ子って事は

「テレビっ子。」

ってことでもある。


ひいばぁはテレビが大好きだったから。










莉「ここ、なんて書いてある?」

観念したんだろうな、
ママは静かに答えた。

(命名。)
莉「めーめー。やぎしゃん?」
(違うよ。赤ちゃんにこんな名前を
つけますよーって事。)

莉「りなも赤ちゃんだったよ。
名前ついた?」

(うん。りなってついたよ。)

(お七夜ってゆうんだけどね。)


お七夜って言葉はテレビで知った。









何か長くなりそうなんで、
続編作ろー