いよいよ明日からボエームの本番が始まります!!



今回マルチェッロという役を演じることになりましたが、その前にやっておきたいことが一つありました。




それはボエームの原作を読むこと!!



プッチーニのオペラとはストーリーが結構違うよーと既に原作を読んだ人からはなんとなく話を聞いていたのですが、少しでも原作の雰囲気を理解して今回演じたいなと思い、思い切って読んでみることに




まず読み終えて思った感想としては





普通に面白い!!!




でした(笑)




原作というぐらいだから読みにくかったり、あんまり面白くなかったりするのかなと思っていたのですが、本当に声を出して笑うところも結構ありました(笑)




ちなみに読んだのは


ラ・ボエーム 

アンリ・ミュルジェール/辻村永樹[訳]

 発行日 2020年5月29 

発 行 株式会社 光文社



です!!



個人的に面白いなあと思ったのは貧乏な割にお金の使い方が結構荒いこと(笑)

ボエーム達はひょんなことからたまーに大金を手にするのですが、普段そんなお金を持ってないせいか、ものすごい勢いで使い倒してしまいます😂




そんな彼らでもちゃんと無駄遣いしないように帳簿をつけていて、「こんなにお金がすぐ無くなるのはおかしい!帳簿を見てみよう!!」ということで見てみるのですが、そこには無駄使いのオンパレードが書き記されています。。。笑




それでも当の本人達は「いや、この日はちゃんと節制できてるわー」とか「ちゃんと節約してるのにお金がいつの間にか無くなって辛いわー」みたいな感じでこいつらは地獄のミサワなのかと(笑)




そんなボエームの物語でしたが、特に驚いたのはミミの死でした。

オペラではミミは結核で死にますが、原作では別のフランシーヌという女性が結核で亡くなるのです、そしてそのフランシーヌの恋人はロドルフォの友人のジャックという彫刻家。



オペラでのロドルフォとミミの関係はそっくりそのままジャックとフランシーヌのお話だったということでこれにはとても驚きました。



じゃあロドルフォとミミは?と思うと思うのですが、彼らも原作ではちゃんと恋人同士です。

ただ2人は何度も喧嘩して別れて、またよりを戻してということを繰り返します。この辺りはオペラのミミとは少しキャラクター性が違うんだなと思いました。

このまま2人はなんだかんだうまくいってハッピーエンドで終わるのかなと思っていたのですが、ミミはロドルフォと喧嘩別れしてから自殺を図り漂白剤を飲んだことでそこから徐々に弱っていきます。

またロドルフォの元へ戻るのですが、その時にはもう弱りきっていて病院へ入院することに。



ロドルフォはミミのお見舞いに足を運びますが、お見舞いに行ってから数日後に病院からミミが亡くなったという知らせが届きます。




ロドルフォはその知らせを聞き、呆然となり涙も流すことができない程でしたが、1週間後にミミの死の知らせは病院側の誤りだったということが判明します。



ミミは生きてる!!



このことに僕も「良かったー!ハッピーエンドじゃん!」と思っていたのですが



その後ロドルフォが医師の元へ向かうと、「あの知らせが本当になってしまいました・・・。」と言われ、ミミは結局亡くなってしまうのでした。



「なんでここで結局死ぬんだよぉおおおおおおおおお」

ととてもやるせない気持ちになったことは言うまでもありません・・・😭




そしてその後ロドルフォ達は芸術家としてみんな成功への道を歩み出すことになって物語は終わるのですが、実はこのボエームの物語は作者のアンリ・ミュルジェールの実体験が多く描かれているそうです。


先程の原作でのロドルフォとミミの関係はそのままミュルジェールと付き合っていた彼女の話で、病院の間違いや、その後の死も全てミュルジェールが体験したことでした。


とても面白い小説ですが、同時に原作の背景、作者のこともとても印象に残る作品だと思いました。



ちなみにマルチェッロとムゼッタはオペラと同じく何度も喧嘩して別れて、また付き合ってということを繰り返しますが、最終的にはムゼッタは他の男性と結婚するということも結構驚きのひとつでした。



オペラではもちろん原作とストーリー、キャラクターも違いますが、それでもこのボヘミアン達の息遣い、のようなものを感じることができとても良かったなと思います。




そんなわけで明日からボエームの本番ですが、自分が思い描くマルチェッロを愉快なボヘミアン達と演じたいと思います!!


まだ少し残席もあるみたいなので良かったら楽しくてそして悲しい青春群像劇を観にいらしてください✨