1月2日夕方、羽田空港C滑走路で起きたJALエアバスA350-900と、海上保安庁のボンバルディアDHC8-Q300の衝突事故では、海保機に管制官から「滑走路に進入・待機＝ラインアップ＆ウェイト」の指示も「離陸許可＝クリアード・フォー・テイクオフ」のコールも出されていないのに海保機が滑走路・RWY34Rに進入してしまったことが、第一の原因であることが、ほぼ明らかになってきました。海保機は羽田の地上管制（コールサインはトウキョウ・グランド）からタワー管制（コールサインはトウキョウ・タワーに引き継がれ、タワーへの最初のコンタクトで「C誘導路・チャーリー・タキシーウェイ」にいると伝えました。前方にはデルタ航空機が見えていたと思われます。そんな中、管制官から「ユウ・アーNo.ワン」と言われ、被災地に向かう任務から「有難い」と感じ、「サンキュー」という言葉が自然に出たのでは？と思います。タワーからJAL516便に着陸許可が出され時の交信を聞いていなかったであろう海保機が、ハリーアップ症候群に陥って、「ナンバーワン」を誤解した説が、元、航空管制官の田中秀和氏ら専門家から出されています。プロのパイロットが、駆け出しの航空学生でも知っている基本中の基本を、忘れさせてしまう「魔の手」が潜んでいたのでしょうか？写真は以前も載せた新石垣空港で撮影した、海上保安庁のボンバルディアDHC8-Q300の事故機、JA722Aです。空港の規模や方向は違いますが、誘導路をRWY04エンドに向けて向けて進んでいます。

羽田空港の管制塔最上部をアップで撮りました。日本一高い115.7ｍの管制塔の最上部でタワー管制が行われているのですね。管制官は、海保機に「ユウ・アー・ナンバーワン（出発順1番目）」と言い、さらに「タクシー・トゥ・ホールディングポイント・チャーリー・ファイブ（C5誘導路の待機地点まで地上走行を）」と言った後、海保機を目視せず、管制ディスプレイに表示された誤進入の警告も見ていなかったと、報じられています。国土交通省は1月6日から誤進入の注意喚起をするディスプレイを、常時監視するための要員を配置したと発表しています。同様事故の再発防止のための、有効な第一手を打ったと思います。その一歩手前に、誤進入を防ぐための一手があるのではないかと思うのです。ファーストコンタクトしてきた出発機、特に出発順1番目のシップに「アライバル・○マイル・オンファイナル」と告げれば良いのではないでしょうか？到着機が迫っていることと、出発機が滑走路に進入できる目安の時間を把握できると思います。出発機に離陸許可を出す時は、「到着機が○マイルに接近中」と言うフレーズを、羽田のC滑走路では頻繫に聞きます。この一手も再発防止に有効だと思うのですが…。

羽田で起きたJAL機と海保機の衝突事故 悔やまれるポイントと、とりあえずの再発防止策

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