あの広い 青黒い 海を泳ぐ夢
刹那に消えてゆく 儚い夢」
ここはそんなにややこしくないかな?
主人公は夢を見ます。
クジラの背中に乗って広くて青黒い海を泳ぐ夢です。
そしてそれは夢なので曖昧な記憶のまま儚く消えていってしまうわけです。
そして次の部分。
「もうどれくらい 眺めている
額縁の中の海
戻れない夢の跡
心を吹き抜ける風」
ここは主人公が目を覚ました描写に切り替わってますね。
ここで主人公は額縁の中の海を眺めているんですが、この額縁というのは比喩ですね。
窓から海を見てるんですけど、海からある程度の距離があることを表したかったんですよね。
遠くに離れると海の動きはあんまり感じられないと思うので、それを絵画のようなイメージで額縁の中の海と比喩しています。
そして心を吹き抜けるようななんともいえない気持ちがあの夢を見たせいで主人公に夢の跡となって残ってるわけですね。
そして次。
「懐かしいような 知らないような
あのふわりとふわりと
頰を撫でる海」
ここは夢の思い出みたいな感じの一文です。
「懐かしいような 知らないような」ここは少し伏線になっていて後から繋がってくるので今は置いておきます。
そしてサビですね。
「また連れていって 深い青へ
帰れないくらい遠くへ
真っ白なこの部屋から連れ出して」
ここで少し主人公の心情が読み取れるかな?って思います。
主人公はあの夢を忘れられずにいて今の現実世界の現状から連れ出してほしいと願っています。
現実がうまくいってる人間はそんなことなかなか強く思えないので現状に何か不満があるんでしょう。
そして「真っ白な部屋」という一文ですね。
真っ白な部屋って俺の中のイメージでは病室なんですよね。
お、なんとなくこの曲のイメージ湧いてきたんじゃないですか?!
次いきます!
「明日もまたこの部屋で
すり減らしてゆくのかな
戻らないこの体
白い細い萎れた花」
ここでまたネガティブなイメージの歌詞ですね。
明日もまたということは主人公はずっとこの白い部屋にいるわけです。
「戻らないこの体」ここで主人公の体の描写があります。
戻らないということはもともとは元気でいたことがわかります。
そしてこれは「懐かしいような 知らないような」っていう一文と少し関係があるんですね。
懐かしいような っていうのは昔は海に入って泳いだことがあるんですよね。
知らないような っていうのは夢と現実の感覚は違うのでそれを表してます。
「白い細い萎れた花」これは主人公の体の状態の比喩です。
次。
「また見させて 夢の続き
ただ朝を 夜を 繰り返した」
ここでは主人公が現状に不満があり夢に逃げようとしている描写になってます。
あの夢の感覚が忘れられなくなって、現実世界のことなんかどうでもよくなってきてるんですね。
そしてもう一度あの夢を見たくて朝と夜を繰り返すわけです。
次ー!!
「また連れていって 深い青へ
もうここにはいたくないから
あの笑顔も声も ただ苦しくて」
ここで初めて主人公以外の情報が出てきますね。
「あの笑顔も声も ただ苦しくて」ってとこです。
これは舞台が病室なのでなんとなく分かってもらえるんじゃないかなぁ。
主人公はこの笑顔をくれる人、会いにきてくれる人にもちろん嬉しい感情はあるんですけど、同時にあの頃の自分ではないことに複雑な心境になってるんですね。
仕方がないことなのに申し訳ないような気持ちになることありますよね。
そしてCメロ。
「あの日からずっと どこかで分かってたんだよ
私の幸せはもう ここに無い事」
ここでかなりネガティブになります…
「あの日」っていうのは2つの意味を込めてます。
まずは主人公の体が今の状態になってしまった瞬間。
もう1つはあの夢を見てしまった瞬間です。
この曲は幸せの形とはなんなのかっていうことが書きたくて書いたので、ここで初めて幸せという言葉が出てきます。
主人公はもうここには自分の幸せはないと思っている状態なんですね。
ここは主人公が違えばそうは思わなかったかもしれません。
でもこの主人公はそう捉えたんですよね。
次!
「また連れていって 深い青へ
帰れないくらい遠くへ 遠くへ
ほら連れていって 深い青へ
もうここにはいたくないから どこか遠くへ
早く連れていって 深い青へ
今すぐ行くから ねぇ
ただ 広く 青く 黒い あの海へ」
これは繰り返しがほとんどなんでほぼ同じ意味ですね。
最後の一文だけ注目してください。
「今すぐ行くから ねぇ
ただ 広く 青く 黒い あの海へ」
ここは主人公が夢の世界にいこうとしていることが分かります。
何度朝と夜を繰り返してももうあの夢は見れなかったから最終手段に出るわけですね。
これはあんまり文にするとあれなので言わないでおきますね。
そして最後。
「夢を見た 真っ白な部屋で
窓から 眺める 動かない海
刹那に消えてゆく儚い夢」
ここで気付いて欲しいのが、冒頭の一文と似てるんですけど視点が切り替わっています。
最初はクジラの背中に乗って海を泳ぐ夢でしたよね?
それが真っ白な部屋で動かない海を眺める夢に変わっています。
主人公はさっきまでの現実世界のことを夢のように認識してるんですね。
もう消えてしまったのに記憶の断片が残っているようなイメージです。
ここでいう「刹那に消えてゆく儚い夢」は冒頭とは違って人生のことを指しています。
そして僕のイメージではこの主人公はクジラになってまた同じような境遇の誰かに夢を見せて幸せの形を考えさせて、物語は繰り返していきます。
とまぁ歌詞解釈はこんな感じですかね。
あと補足なんですけど、海に対して何度も「青」「黒」っていう言葉で表現してますよね?
これも意味があるんです。
青いものって美しいイメージが湧きませんか?
それに対して黒いものってネガティブなイメージが湧きませんか?
同じ海でも見方によって青くも黒くも見える。
幸せの形も人によっては美しく見えたりネガティブに見えたりすると思うんです。
だから価値観は人それぞれだから自分にしか幸せの形は分からないよねっていうことが言いたかったわけです。
はい!笑
長くなりましたねぇ…
これ最後まで読めた人いるのかね…
もし読んでくれた人がいるならほんとに嬉しいです。
いつもこんな感じで歌詞はネチネチ細かく書いてるので、また新曲ができたら考察してもらえると嬉しいです。
感想とかあれば是非コメントに書いてもらえると嬉しいです!!
