マクスウェルの道:基礎の基礎 part2

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1. 電荷(電荷量) q

電荷とは、物質が持つ「電気を帯びる性質」を数値化したものです。その量は電荷量 q で表され、単位はクーロン(C)です。

電荷には、大きく分けてプラスの電荷(正電荷)マイナスの電荷(負電荷)の2種類があります。

  • プラスの電荷:例えば、原子核に含まれる陽子が持ちます。
  • マイナスの電荷:例えば、原子の周りを回る電子が持ちます。

異なる種類の電荷(プラスとマイナス)は互いに引き合い、同じ種類の電荷(プラス同士、マイナス同士)は互いに反発し合います。この力がクーロン力です。

素電荷 e: 宇宙に存在する最小の電荷で、その大きさは約1.602 × 10-19 Cです。どんな電荷も、この素電荷の整数倍になります。

保存則: 孤立した系(外部と電荷のやり取りがない系)では、電荷の総量は常に一定に保たれます。これは物理学の基本的な法則の一つです。

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2. 電荷密度 ρ

電荷が空間にどのように分布しているかを表すのが電荷密度です。これは、単位体積あたりに存在する電荷の量を示します。

体積電荷密度 ρ

空間のある微小な体積 dV に含まれる電荷の量を dq とすると、体積電荷密度 ρ は次の式で定義されます。

ρ = dq/dV

単位はC/m3です。この定義により、ある体積 V 内の電荷の総量 Q は、ρ をその体積で積分することで求めることができます。

Q = ∫V ρ dV

イメージ図:電荷と電荷密度

想像してみてください。ある箱の中に、いくつかのおはじき(電荷)が散らばっているとします。

電荷は、一つ一つのおはじきそのものです。
電荷密度は、そのおはじきが箱の中でどれくらい「ぎゅっと詰まっているか」を表します。たくさんのおはじきが狭い範囲に集まっていれば密度は高く、まばらに散らばっていれば密度は低くなります。

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3. 電流 I と電流密度 J

電荷が時間と共に移動するとき、その流れ(電荷の速度)が電流です。電流は、ある断面を単位時間に通過する電荷の量として定義されます。

I = dq/dt

単位はアンペア(A)です。

しかし、電流は導線の太さや形、また流れる場所によって「混み具合」が異なります。この「流れの方向」と「混み具合」を一度に表現するのが電流密度です。電流密度はベクトル量であり、J で表されます。

電流密度 J

電流密度 Jは,電流の向きを向くベクトルで、その大きさは単位面積あたりの電流の大きさです。また、ある位置での電荷密度ρとその電荷の速度v(ベクトルをもっている)を掛けたものでもあります。

J = p・v

ある面 S を通過する電流 I は、電流密度 J をその面で積分することで求められます。

I = ∫S J ⋅ dS

ここで、⋅ はベクトルの内積を示します。内積は、電流密度と面の法線ベクトルがどれだけ平行かを考慮することで、斜めに流れる場合でも正しく電流を計算できます。

補足として、電流 I は、下図の電流密度JのdS成分を足し合わせたもの(積分)が、電流となる。

 

イメージ図:電流と電流密度

今度は、ホースの中を水が流れている様子を想像してみましょう。

電流は、ホースの出口から流れ出てくる水の総量に例えられます。
電流密度は、ホースの中の特定の場所で、水がどの方向にどれくらいの勢いで流れているかを表します。ホースの出口が細くなっていれば、そこでの水の勢い(密度)は高くなりますよね。水の流れ(電荷の流れ)には方向があるので、電流密度はベクトルで示されます。

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まとめ

物理量 記号 単位 説明
電荷 q C(クーロン) 物質が帯びる電気の量。プラスとマイナスの2種類がある。
電荷密度 ρ C/m3 空間的な電荷の分布の「混み具合」。
電流 I A(アンペア) 電荷の「流れの総量」。
電流密度 J A/m2 電流の「流れの方向」と「混み具合」を表すベクトル。

これらの基礎知識は、マクスウェル方程式を深く理解するための土台となります。次回は、これらの電荷と電流が作り出す電場磁場について解説していきます。お楽しみに!