TV「ハチミツとクローバーII/第9話」ピックアップ | さいたまでお茶

TV「ハチミツとクローバーII/第9話」ピックアップ

!軽ネタバレ注意です!


ハチクロ、見てます。

テレビでは、それぞれのキャラクターのモノローグが、一つの詞を読んでいるようで、いつも心に響きます。



森田兄弟は長年の計画をついに発動し、成功するも、その後兄の馨は姿を消してしまう。事故に巻き込まれたはぐみは、右腕に怪我を負いしばらく病院に入院しなければならない。痛みをこらえながら自らの状況を認識しようと耐える辛そうなはぐみを目の当たりにして、心を痛める竹本と山田。そして、ただただ彼女を見守る修司……。落ち込んだ山田に対して野宮は彼女が今できることをアドバイスすると、山田は何やら思いついたように行動に移す…。

公式HPより)





「うん。そうだね。
 みんな、たぶんそう思ってるよ。
 で、全員で彼女を遠巻きにするんだ。
 『わたしにはなにもしてあげられそうにないから』って。
 で、まんまと彼女はひとりぼっちってわけだ。
 今、動く動かないの境目で気が張ってるだろうけど、たぶん彼女がひどく苦しむのは、これから始まるリハビリだよ。
 山田さん。君は残りなさい。残んなきゃだめだ。
 友達なんだろ?」



「山田さん。
 焦らないこと。諦めないこと。それはオレ達もなんだよ。
 側にいる人間が揺らいだら、溺れている人間が掴まるものがなくなってしまうだろ?」



人生が何のためにあるのか。
それは、大事な人の手を、こういうときに強く握るためなんじゃないのか。
そうさ。やめてずっと側に。
励まして、リハビリを手伝って、ケアを手伝うなら、シフトを自由にできるバイトを選べばいい。
ビルの清掃とか。道路工事とか。深夜のコンビニとか。
でもまてよ。そんな収入だけで、東京で一人でやっていけるのか。
今は実家からの援助とバイトで生活してる。
当たり前だけど、卒業したら、何もかもすべて自分で捻出していかなければならない。
いや、バイトを目一杯やれば大丈夫。贅沢さえしなければ暮らしていける。
でも、そんなに目一杯バイトを入れたら、今度は、ハグちゃんのケアができなくなる。
何より彼女が治ったとして、そのあとのオレは。
高いお金をかけてもらって、美大に行かせてもらったあげく、就職もできてなくて、手に職もついてなくて、30も超えていて。
そんなことになったら、今度はオレの存在自体が、彼女の重荷に変わるのでは?
真山さんの言葉が浮かんだ。


「もし好きな女に何かあったときにさ、何も考えずにしばらく休めって言えるくらいは、なんかさ。持ってたいんだよね。」


今、あの言葉の意味を思い知る。
あんなちっぽけな花一つ買ってやれない男に、好きな女の子一人ですら、救えるわけがない。
オレは問題をすり替えているだけ。
彼女を助けたいとかいって、オレが彼女から、離れたくないだけ。