飲み屋で熱く語る男がいる ずっとNIKEのキャップを被っている  内容を聞くとどうもゴルフの話のようだ。

彼いわく

 自分は一つの身でありながら二つの人生を歩んでいる。


ほう  どんな人生でっしゃろ?  

昼間何かテケトーなバイトしながら夜は量販店でゴルフのレッスンプロをやっているそうな。 

 何?それレッスン  プロ?  アマてのもあるの? ググってみました


なんじゃこりゃ?    いや失礼



他人の生き様だ。否定はしませんが   


何か   軽いのですね。 その人の存在そのものが

ゴルフに全く興味がない者からしたらね。


単にダブルワークじゃね?  60前の男が 何を上から目線で熱く語っとるのよこんな飲み屋で。

知らんけどw 


しかし思い浮かんだ言葉

 one load dual Life (一つの生涯に二つの人生)


その言葉にだけ刺さりました。 
やはり憧れる者は二つの人生を生きている  
もちろん 二つとも結果を残した者です。


西行法師   黒田官兵衛  釈迦  そして
伊能忠敬。



ご存知日本の地図を徒歩で計測し仕上げた偉人です。  

その距離 実に43,000キロ地球一周にあたる もちろん海岸線だから断崖絶壁が殆どなので命懸けだったと思う。


彼は1800年 五十になったのを機にそれまで成功を納めた酒問屋を引退した後 6年をかけて天文学 測量技術を学び地図作成の旅に出て 17年かけて完成させる。 


56才   福山雅治とか  若い若い まだまだ大丈夫。

ではない。

 当時日本の平均寿命は40才前後です。

凄まじい精神力と体力。 現代の感覚でいうと 

80代の老人がフルマラソンを走るようなものだ

  17年 毎日。 昼間は波が荒れる海岸を歩き測量し絵師に描かせ記録。 それを夜は天体観測で距離を確認。




普通に転職や定年後のシルバー人材センターではなくて 

前半の人生より後半のそれが困難でも達成感が勝るものでありたいです。


高齢者たちが立ち飲み屋で年金が少ないと愚痴り

誰かの噂話しか話題はなく日曜日の競馬だけが娯楽…    というのも自分には合わない。


まず超人的な肉体は不可欠でしょう 何をするにも


それと不屈の精神力(こんな事オレにしか出来ねえんだよ負けてたまるか)という折れない心、実に17年だ。


そして 年老いてなお柔軟な波動 これは大事です

   もう往生してもおかしくない年齢から全く違う新しいことを学ぼうとする気持ち  彼は天文学を学ぶ為に20歳も下の学者に弟子入りをするため千葉から江戸に引っ越す。



何たる精神力


彼の生き様は高齢者応援キャンペーンなどではない

厚労省が推奨しそうな物語だが 笑

なぜなら彼は50で隠居してから考え始めたのでは無い節がある

おそらく 若い頃から二つの人生を愉しむことを決めていたのだろう  
忙しい商売もこなしながら趣味で測量技術を勉強し準備していたので

 まさにアップデート 第二の人生のために


《さいごに》

面白い話だが伊能忠敬ははじめから地図を作る為に旅を始めた訳ではなかったのです!

彼は正確な暦を作りたかったのです。

それには地球の正確な大きさがわからないとならない為先ずは日本の大きさを測る為に地図を作成して行き そっちの方が重大になって行ったのでしょうね。



【追記】

またこれもドラマチックなのですが 


実は完成を待たずに忠敬は病没

享年73才   


地図の完成はあと少しでした。 

   遺言は 弟子たちに 何とか継いで欲しい と言い残し。  死因は肺結核でした。


心残りはあるけれど満足した生涯だったと思います。 

   

     一つの身で二つの人生を愉しむ。


皆さま明日もご自愛ください

【了】