見たとき
まだまだ青いころ、といっても今も青いのかもしれないが、読んだ小説などを
文庫本で探してみたり・・・
理系の啓蒙書を読んでみたり・・・
心理学の本を読んでみたり・・・
と書棚をずっと回っていた。
もう、かなり遅い時間になり、今夜の宿に帰ろうとしていたときだった。
彼女を見たのは、哲学書の書棚の前だった。
妄想の出会い
そのころはまだサラリーマンで、東京に出張する機会もずっと多かった。
東京についても、大学も出身も関西の僕は何もすることもなかった。
いや、大学が東京でも友達を作るのがヘタな僕は、きっと仕事があけたら飲みにいくなんてこともなかったんだろうけど・・・
そんな僕の楽しみといえば、夜遅くまで営業している大規模書店にいることぐらいだった。