仕事を続ける自信がないので、短期のデータ入力の仕事に応募した。2週間ごとの契約で、その後は希望によって延長できる。契約は派遣だったので、初回登録のため会社のある渋谷へ行った。
会社の近くにはヒカリエがあり、私は帰りに寄ってみることにした。オープンしたての頃に行って、動物園にパンダが来た時のように誘導されながら行列を進んだ経験をしたので、その後は今まで一度も来ていなかった。
同時に登録テストを受けた女性と裏の入り口で別れ、1人で中をぶらぶらした。開店直後の混雑が嘘のようにとても空いていて快適だった。中に入っている店舗は、ソラマチにある店舗と同じだったり似ていたりした。Twitterで自然派生活を勧める人のつぶやきにあった菜種油があり、買おうか迷ったが大きくて重いビンだったので結局小ビンで同じくらいの値段の油を買った。それは普段スーパーで買う油の3倍くらいの値段で、たいして稼げてもいない自分が買うようなものではないと思ったが、Twitterで読んだ「菓子や無駄な嗜好品を買う代わりに良い油を使えばそれだけで美味い」という文言を思い浮かべ、その通りにしてみようと考えた。
その後、別のフロアで以前から気に入っている化粧品の直営店を見つけた。ハチミツを原料の基本としているお店で、唇がとても荒れやすい私に合ったリップを売っている。そこで見た新商品のクールジェル、リップグロスなどなど気に入って5点も買ってしまった。
会社員時代の金銭感覚が抜けない。新しくて生活を豊かにしてくれそうな物を買うことはなかなかやめられそうにない。東京に生まれなかったらそうはならなかったのかなとも思うけれど、それよりは性分なのかなとも思う。
最近亡くなった祖父は戦争を体験した人で、母が飼っていた犬も鍋にできるような父親だった。聞いた時は残酷だと感じたが、ただ生きることに正直だったのだと今では思う。
生活はとても質素で、新しいものはほとんど買わない。たまに子がプレゼントする服やハンカチなども勿体無いといって使わない人だった。ただ孫の私が遊びに行くと必ずおこずかいをくれた。
残した貯金は相当な額らしい。私などはもちろん親の世代よりも豊かだった祖父。
どこかで見ていてくれていると思って、少しは見習った生活をしよう。勤勉に生きよう。でも、たまの映画は許してください。



