出版社から納入された本の山。この日も寄贈分を含めて約900冊が届いた=東京都千代田区永田町1で2009年11月、合田月美撮影 |
同図書館は、国立国会図書館法で国内で発行されたすべての出版物を収集・保存することが義務付けられており、ほぼ毎日、全国から大量の本や新聞、雑誌が届く。蔵書は08年度末時点で、書籍929万冊を含む約3565万点に上る。08年度の来館者数は約65万人だった。
68年に完成した本館(1冊の厚さを3センチとして収容能力約450万冊)に加え、86年に新館(同約750万冊)、02年に関西館(京都府精華町・同約600万冊)と国際子ども図書館(台東区・同約40万冊)が開館。それまでの実績をもとに、国立国会図書館では4館合わせて少なくとも2017年までは収容可能と想定していた。
ところが、出版点数は想定を超えて増加。同図書館によると、90年に6万183冊だった民間からの納入点数は00年に8万9352冊、08年には11万1442冊と18年でほぼ倍増した。「出版業界は自転車操業。売れ残った返本分を新刊を出して補っているのが現状。売れなければ売れないほど新しい本が出る」(業界関係者)という事情がある。
また、全般的に本のサイズが大きくなっていることも要因の一つだ。93年度から行政文書がA4判(縦297ミリ、横210ミリ)に統一された影響で、官庁から出される年鑑や報告書などが徐々にA4に拡大。「それに伴って一般の本や雑誌も着実に大きくなっている」(担当者)といい、同図書館は数年前から開館以来7段だった書架を5段に組み替えて収容している。
さらに、同法改正で01年度から収集を開始したCDやDVDなどの音楽・映像資料が当初から倍増していることも一因だ。
同図書館は、2冊ずつそろえていた一部の本を1冊にしたり、大きな本は横にするなどしているが、「少しでもいい状態で多くの資料を保存できるよう、数センチの単位で努力しているが焼け石に水。増え続ける本のスピードに追い付かない」(大塚奈奈絵・図書課長)と困惑している。