『悉皆』をひっくり返すと『皆悉』
皆悉到彼国(オウゴンゲより)・・・皆悉隠蔽(サンブツゲより)・・・。
う~む。なんとなく仏教と関わりのある漢字であることはお判りいただけると思いますが、今回はここから話をひろげないで、ストレートに法衣類の『悉皆』について。
悉皆屋(しっかいや)さんという呼び名は、もともとは大阪エリア限定であったようです。ナニワの商人で、京都の専門業者に取り次ぐ・・・みたいな。
なにを?というと、法衣や袈裟(に限ったことではなく和装全般)の修繕やクリーニングを。
私はどちらかというと古いものが好きです。
改築の時には曽祖父が身に着けていた袈裟などが出てきて、時を経て手にとる不思議さ嬉しさ、なんとも言えない風合いに心が躍りました。
いくつか、まだまだ現役で使えそうなものがあって、使い惜しみしつつ保管しています。
それらよりも比較的年代の新しい物で、修繕さえすれば、まだもう少し使えそうなものをピックアップし、昨年、とある悉皆屋さんにお願い。
この切袴は全体的にグタグタで股のところも破れていましたが、見事に仕上がってきました。
僕の僧班に合う物ではないので公式の場では着用できませんが、ご門徒向け葬儀など私用可な場面で使わせていただきます。
この私用色衣も見事ビリッといっちゃって汗ジミもありましたが甦りました!
しかも、お気に入りの色です。
関係寺院への報恩講出勤などで、まだまだ活躍してもらいましょう。
この大五条は小威儀がズタボロでしたが、予備が保管されていたので付け替え。
そして、全体的にも傷んでいたので補修。
数年前にお浄土に還られた近所のおばあちゃまが寄進してくださった物でした。まだまだ大切に使わせていただきます。
この中五条は曽祖父~祖父ぐらいの物ですが、柄や色合いが気に入ったので補修してもらいました。
黒衣にシャキーンと合いそうです
悉皆とて、それなりの費用がかかりますが
限界がくるまで、このように専門業者さんに相談しながら、古い法衣や袈裟も大切に使わせていただきたいと思っています。
釋 俊彰