【西条昇の浅草エンタメ日記】浅草公会堂で林佑樹の會「男の花道」を観て | 西条昇教授の芸能史研究

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エンタメ評論家で江戸川大学マスコミ学科教授の西条昇のエンタメな日々。浅草芸能コレクション、喜劇、ジャニーズ舞台、アイドル、お笑い、昭和レトロ、ブラジリアンダンスのランバダなどなど。

昨日10/26(水)は2限の「アイドル論」で70年代の女性アイドルについての講義を終えた後、ゼミたちを連れて宇田川さんからお誘い頂いていた浅草公会堂での「林佑樹の會」の夜の部へ。
「男の花道」では、歌舞伎や新派で修業を積んだ林佑樹が、長谷川一夫をはじめ中村扇雀、大川橋蔵、中村福助らが演じてきた歌右衛門役を好演。今回、歌右衛門の眼病を直す頑固な蘭学医の土生玄磧役を演じた林与一にはさすがの風格が感じられた。
帰宅後、改めて昭和16年に長谷川が歌右衛門、古川緑波が土生玄磧を演じた映画「男の花道」を見返してみたが、「歌う弥次喜多」など現在見ることのできる緑波のアチャラカ物の映画では全盛期の舞台での面白さが伝わらない一方で、シリアスな演技でホロリとさせつつトボケた間と味で笑わせる、この映画での玄磧役には往年の緑波ならではの魅力が溢れているのではないか。