【西条昇の軽演劇史コレクション】昭和24年の劇団新風俗による荷風・原案「濹東新誌」公演パンフ | 西条昇教授の芸能史研究

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エンタメ評論家で江戸川大学マスコミ学科教授の西条昇のエンタメな日々。浅草芸能コレクション、喜劇、ジャニーズ舞台、アイドル、お笑い、昭和レトロ、ブラジリアンダンスのランバダなどなど。

手元にある、昭和24年5月の新宿セントラル劇場での劇団新風俗による永井荷風・原案「濹東新誌」第1話 紅燈夜色の公演パンフ。
劇団新風俗は前年春から浅草・常盤座で旗揚げし、女優の桜むつ子を荷風が気に入り、頻繁に楽屋に通っていた。
荷風の原作ではなく原案となっているのがミソで、「濹東綺譚」などの荷風のいくつかの小説をモチーフに作・演出の有吉光也がまとめたもののようだ。
断腸亭日乗には、荷風がこの舞台を観に新宿に行った記述はなく、新聞の劇評も芳しくなかった。