葬儀について

現在日本で行われる葬儀の九割以上は仏式だという。仏式の葬儀が一般的になるのは江戸時代だとされる。江戸幕府が設けた寺請制度により、日本人はどこかの寺の檀家になることを義務付けられ、葬儀もその寺に依頼しなければならなかった。これによって日本の葬儀は仏式で勤めることが当然となり、今もその慣習が続いている。

仏式の葬儀というが、仏教の教えの中に葬儀自体の決まりごとはない。お釈迦様やその弟子達の葬儀は、当時のインドの風習に則って勤められたと考えられる。私達が仏式として勤める現代の葬儀も、仏教と共に伝わったインドや中国の風習が元になり、日本の風習も合わさり形作られたのだろう。

死は誰も避けられず、いつ巡り来るかわからない。それが世の定めである。その定めを正しく受け入れられるよう導いてくれるのが仏教である。葬儀を仏式で勤めるということは、仏様の教えを体得して大切な人を最後まで見送るということである。