■登場人物

・アリス

・支配人

・カラス

+ナレーター

 

■配役構成

♂1名

♀1名

+ナレーター&カラス1名 

 

■読み方

《》はナレーションです

❶❷❸は間でためる推奨秒数です

※は前文を読みやすくする補足や読み仮名を振っております

 

■本編

 

アリス「ここはどこ?」

支配人「ここはね。洗濯機の中だよ」

アリス「え?」

支配人「記憶を失っているみたいだね。君のお名前は?」

アリス「アリス」

支配人「手に持っているそれは?」

アリス「・・・この世界の領主様への手紙・・」



支配人「覚えているのかい?」

アリス「はい・・この手紙を届けるように誰かに頼まれたのかもしれません」

支配人「よし、そのお手紙の主を見てみよう」

《2人が手紙封筒の外面を見ると、差し出し人の名がレオジョンと書いてあった》

アリス「レオ・・ジョン?」

支配人「心当たりはあるかい?」

アリス「んんん」

《支配人はポケットから草を取り出した》

支配人「これを食べてみて、記憶を少し取り戻せると噂されてる魔草(※)だよ」

※まそうorまぐさ

アリス「ありがとう、むしゃむしゃ・・おいしい」

支配人「さあ、どうかな」

アリス「あ・・記憶が・・」

支配人「さあさあ」



アリス「レ・・オ・・私の兄・・!」

支配人「そうなのか!?」

アリス「私はレオに洗濯機に入れられて・・この世界に・・来ました」

支配人「ふむ・・」

アリス「この手紙を、届けないと!」

支配人「待ちなさい」

アリス「ん!?」

支配人「領主様のお城の方向はわかっているのかい?」

アリス「まったくわかりません」

支配人「無謀だな」

アリス「すみません」

支配人「ここにコンパスがある」

アリス「はい」

支配人「これを君にあげる代わりに、私は対価を受け取らないといけない」

アリス「ほしいです」

支配人「無理だ。君には対価になる物が何もない」

アリス「どうすれば・・私は対価を支払えますか?」

支配人「聞けば誰かが教えてくれると教わってきたのかい?」

アリス「はい」

支配人「そうですか」

アリス「だから教えてください!」

支配人「いいだろう」



支配人「私は君の服がほしい」

アリス「ひぇ!?」

支配人「君のその服が欲しいと言ってる」

アリス「えっと、その?」

支配人「それだ。緑のドレス、紺色のハイソックス、それだけでいい」

アリス「お待ちください」

支配人「ん?」

アリス「それは無理です・・」

支配人「じゃあいいよ。領主様のお城の方向はカラスにでも聞くといい」

アリス「そうします」

《支配人がその場を去ろうとしたと同時にアリスは空を飛ぶカラスに話しかけた》

アリス「カラスさん、私に領主様のお城はどちらか教えてください」

カラス「ガー。ガー。目と鼻対価。ガー。ガー」

アリス「わあああああ」

《アリスはカラスへの問いかけをやめて、遠くへと歩いていく支配人の元へ走っていって追いついた》



アリス「まってください」

支配人「なんだね?」

アリス「あの、やっぱりコンパスをください」

支配人「服ください」



アリス「・・わかりました」

《アリスが脱ごうとすると、支配人はアリスの靴を凝視しはじめた》

アリス「どうしたんですか?」

支配人「服にするか靴にするか迷ってきたよ」

アリス「なるほど?」

支配人「君はこの靴をいつ購入したのか覚えているかい?」

アリス「確か・・2ヶ月前だった気がします」

支配人「じゃあ服でいいよ」

アリス「どういう基準なんですか!?」

支配人「君は知らなくていい」

アリス「そう・・ですか・・」

支配人「早く服ください」

アリス「待ってください」

支配人「ん?」

アリス「コンパスの使い方を先に教えてください」

支配人「わかった。これもって」

アリス「はい、コンパス持ちました」

支配人「まずは起動の呪文を唱えないといけないんだ」

アリス「そうなんですね。んっと、コンパスに何か書いてあります」

支配人「うん、書いてある通りにやってみて」

《コンパスには小さく文字羅列が並び、起動呪文という項目があり『ワタシノクビスジヲミツメテクダサイ』と丁寧に唱えてくださいと書いてあった》

※ナレーターは『』内を読む必要なし

アリス「ワタシノクビスジヲミツメテクダサイ」

《アリスが呪文を唱えるとコンパスが光り出してお城への方向を明るく照らし始めた》

支配人「さあ、時はきた!行くべき道を歩め!」

アリス「ありがとうございます!」

《呪文を言わせて満足した支配人は服の事を忘れてアリスを祝福して送り出した。この事がのちのち、ある事件を引き起こすきっかけになるなど・・この時の2人は知るよしもなかった》

おしまい