長らく放置してしまった。


ここにしか吐き出せないことなので、久しぶりに書く。


病気になってできた友人がいる。出会ったのは約1年半前。

医師から「乳がん」と初めて告知された直後、看護師さんが書類を持ってきてくれるのを待つために、診察室前の長椅子に座って、「がん患者家族のつどい」や「治療しながら働くために」などの淡い色合いで刷られたお知らせが所狭しと貼ってある壁をぼんやり眺めながら、これは面倒なことになったぞ…と途方に暮れていた時だった。

気づくと、隣にも同じように壁を見つめて途方に暮れている女性がいた。

一人の看護師さんが彼女に近づき、私が少し前に聞いたのと全く同じ内容を伝えているのが聞こえてきて、

「あぁ、この人も乳がんって言われたんだ」

と思った。

「同意書お持ちしますのでもう少しお待ちください」と、これまた私に言ったのと全く同じセリフを口にして看護師さんが彼女の元を離れてから、思い切って話しかけた。

なんて声かけたんだっけな。

たしか、「参りましたね」だったと思う。


彼女の方がステージ1つ進んだ状態だったけど、お互い「初期」と言える段階での発見で、手術までの治療内容も、手術日も同じだった。


術後の放射線治療の後、HER2陰性の彼女はホルモン療法のみで、通院は3ヶ月ごとになり病院で会うことはなくなってしまったけど、たまにLINEで近況報告がきたり、私からしたりしてた。

髪がどれくらい伸びたとか、爪は相変わらずボロボロだとか、まだ筋肉の張りが取れないとか、ホットフラッシュ嫌すぎるとか。


昨日、転移が見つかった、と連絡がきた。


また抗がん剤治療を始めるそう。

前のEC療法の副作用、私の100倍辛そうだったのに。


自分が、今のところ治療がうまくいってるから、早く見つけて手術できればがんは怖くない、なんて思ってた。

けど。

手強い奴を相手にしてるんだ、と思い知った。


薬が効くこと。

副作用が軽く済むこと。

祈るしかできない。