産声
人は誰しも、生まれてくる時に、泣く。
何故?
つい最近私は、大声で泣いた、
叫ぶように。
誰かに無条件に愛されることを怖がっていた。
何もない自分は、愛される価値がないとさえ、思っていた。
強がることでしか、自分を保っていられなかった。
でも。
ほんとうは。
愛されたかった、必要とされたかった、誰かに。
辛く、寂しく、孤独な、いままでの自分から解放されたかった。
でも、本当の自分の欲求を、恥だとさえ思え、素直に言えなかった。
「本当の私をみて。そして、愛して。」
これが、自分の一番望んでいたことなのに。
私は自分に嘘をついていた。
私は自分を騙していた。
それが本当は
どれほど愚かで、幼く、臆病だったことか。
私は初めて知った、あの言葉を聞いて。
「君はそのままで愛される価値が、あるんだよ。」
ずっと。ずっと。
そんな風に、無条件に愛されたかった。
ずっと、ずっと。
そんな相手に出逢えるのを待っていた。
そして。
生まれ変わりたいと思った。
これからの人生を、その言葉にかけてみようと思った。
怖いけれど
不安だけれど
自信なんてないけれど
ちゃんと、自分自身を愛そうと思った、
私を愛してくれている人のためにも。
その時、私は知ったのだ、
何故、人は泣きながら生れてくるのか、その意味を。
それは。
今までの記憶を消し、新たなる人生を歩むことへの
孤独と、不安と、悲しみと
でも、何よりも
新しい自分に出逢える、大いなる喜び
希望という名の光を湛え、飛び立つ瞬間の決意
そして、生まれ来ることを許された、感謝の気持ち
だから、人は泣くのだ、生まれ来る、
生まれ変わる瞬間に。
人は誰しも、生まれてくる時に、泣く。
何故?
それは
自分の存在に対する、宣言。
BGM:【刹那】GReeeeN
