希望

「どこから話そうかしら?」

大ババ様の声で始まった?

大ババ様の話しによるとエンの容姿は

夢でもはっきりしているようだった。

しかし自分とエンラの関係がよくわか

らないようだった

ぼくは大ババ様にさりげなく質問して

みた。

「昔にも火山が爆発して世界が滅びそ

うになったことはあるんですよね?

最後の人柱はどうなったんですか?」

大ババ様はあっけらかんと言った。

「分からないわ」

エンは小さくチッと舌打ちをした。

ぼくは半ば責めるような口調で問い詰

めた。

「最後の人柱の儀式を見てないんです

か? 僕前に人柱の話しを聞きました」

おかしい。何か話がずれている。

「ああ、あなたには話したわね。

実際には人柱はされたかもよくわから

ないの私はその場に立ち会ったのだけ

れど記憶がないの。私が知っている事

実は文献からだけよ。」

「文献?」

「ええ でもその文献もおかしくて正し

いとは言い難いものよ」

「おかしい?」

エンが死んだことは誰も知らないはず

だ。巫女が記憶を変えたから。

エンの話しからは全ての記憶は一掃さ

れているはずだ。

「私の幼馴染のエンラの名前があった

の。あいつはしななかったのに火山は

止まったの」

文献は変わらなかった。

要するにエンの生きていた証が残って

いるかもしれない。

一縷の希望が見えた。
















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最愛の人


「お入りなさい」という声がした。

僕達は、声に導かれるように部屋に入った。

そこには、凛と背筋を伸ばしてベット

の上に座る大ババ様が座っていた。

「大ババ様…」

僕は大ババ様の姿をみて驚愕した。

大ババ様は背筋はしゃんとしてはいる

が頬は痩け、肌は皺くちゃで初めて出

会った時とは全く印象が違った。

隣でエンが小さく「サチ」と呟いた。

大ババ様は、エンを見て、

「あら、そちらの方は?」

と、にっこり微笑んだ。

「……」

僕は息を飲んだ。

僕が答えあぐねていると、エンが

「俺様はっ…」 「守護者なのかし

ら?」

エンの答えを待たずにして、大ババ様は言った。

さっき、契約したばかりだから何とも

いいがたい。何と答えようと、隣のエ

ンに目を向けると、目で「守護者と紹

介しろ」とうったえかけている。

「あ、そうです。」

僕は、曖昧に頷いた。

「そう。さっきはごめんなさいね。

セイがあなた達を襲わせてしまって…

しかも、リュウまで操って…」

大ババ様が申し訳なさそうに謝った。

「でも、私の家は、火の神がやって来

たら鈴がなるようになっているのに…

私の魔力も、もうダメね」

あはは、という渇いた笑いが出た。

僕は、話しをかえるために病気につい

て話しをすり替えようとした。

「あっ、大ババ様、病気はいいんでし

ょうか?」

大ババ様は、クシャリと顔をして苦笑

いした。

「見ての通り、若い姿も保たれないほ

どね。あと、2時間というところね」

僕は、唖然とした。

「2時間?何で分かるんですか?」

「勘ね。霊力を使ってると何となく分かるよ」

それでも、2時間て短過ぎる。

これではエンの思いがらつたられな

い。

僕が焦りを感じていると突然大ババ様

が話し始めた。

「最近、夢を見るの。 私の幼馴染のエ

ンラという人にそっくりな男のこを」

僕とエンはめを見開いた。

「昔話に付き合ってくれるかしら?」

大ババ様はエンにむかって微笑んだ。














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人の命


僕らは今走っている。


大ババ様の元へr。


「痛ててっ//]


僕は腕をさすった。


「大丈夫ですかコウ様?契約の時の傷が開いてしまったんですか?」


リュウはそう、心配してくる。


「ううん大丈夫だよ。リュウが水を凍らせて傷に貼ってくれたから全然平気だよ」


僕は笑ってみせた。


リュウは心配そうに


「そうですか」と言った。


リュウには悪いけど本当のところものすごく痛い・・・。


腕が引き連れて火傷したところから血が溢れてきそうだ。


そこに、エンが


「ゴメンな。急な俺様の契約のせいで・・・。やけど痛いだろ?」


そう、このやけどはエンとの契約との時に負ったものだ。


「大丈夫だって言ってるだろ?気にしないで!!ほら、もうすぐ大ババ様の家だ」


僕はそこを指した。


エンはゴクリと生唾を飲み込んだ。


緊張してるのかな?


リュウは家の前に立ち止まって少し待っててくださいと言って中に入っていった。


様子を見てきてくれるようだ。


僕は最後にエンに確認した。


「本当にこれでいいんだよね?といっても僕がやれっていったことなんだけどね」


「ああ」と


短い返事が返ってきた。


相当緊張しているようだ。


そこにリュウが戻ってきて僕たちを手招きした。


「コウ様、エン 入ってきていいですよ」


僕たちはお邪魔しますとはいろうとしたそのとき、


りんりんりん


大ババ様の家中に吊り下げてあった鈴が一斉に鳴り始めた。


「なっ、どうして?」


僕は四方に敵がいないか確かめた。誰もいない・・。


そこにセイがやってきた。


「火山の悪霊が来たわ。逃げて」


と僕に言う。


「火山の悪霊?」


セイは僕の質問に答えもせず急に呪文を唱え始めた。


「この地に宿る水の精、風の精地の精、われに力を与えたもう」


印を組み一息に掛け声を挙げたと思うと


隣にいたエンが苦しみ始めた。


「うぐっううう、つうつつつぁぁぁああああっ」


僕はエンに駆け寄った。


「エン大丈夫か?おい、おい!!」


肩を揺さぶっても唸ったままだ。


「リュウ、エンを助けてあげて!!」


僕はリュウを見た。


リュウは虚ろな目でエンをみている。


また、セイは呪文を唱えた。


「水の守護者、我に力を貸したもう」


するとリュウが急に僕達に近づいてきた。


その手には水で出来た諸刃の剣を持って・・・。


僕は焦った。僕はリュウに着られても大丈夫かもしれない。あの剣の水だし、問題はエンだ


火と水では属性が対極すぎる。


ましてや、こんな状態のエンだったら今のリュウに負けてしまう。


ここはエンを守るべきだ。僕はエンと約束したんだ。サチさんに合わせるって・・・。


ただ、守るってどうしたら・・・・。


そんなことを考えているうちにどんどんリュウと僕らの距離は縮まるばかり・・・・。


考えるんだ、コウ。どうしたらっ・・・・どうしたらみんなを守れる??


リュウが立ち止まって剣を振り上げた。


もうだめだ。僕が自分自身の身でエンを守ることしかできない。


そう思い、僕はエンをかばうように覆いかぶさり目を瞑った。


ぐすっ


鈍い音がした。


だけどやってくる痛みはない。


僕はそろそろと瞼を開けた。


そこには苦しそうなリュウの顔と失神して倒れているセイの姿があった。


剣はというとぎりぎり僕らには刺さらない土に刺さっていた。


「コウ様ごめんなさ・・い」


そう言ってリュウはばたんと倒れてしまった。


「どうなってんだ?」


エンはやっと痛みから開放されたのか少し息が荒れている状態で当たりを、見回している。


そこへか細いけど力強い声がした。


「お入りなさい」


それは、家の中からだった。

契約


「ああ~~~!!エンに言い過ぎちゃったよね?絶対に!!」


僕は後悔した。もう遅いけど・・・。


「いくら頭に来たからってベラベラと喋って迷惑だったろうなぁ。リュウも来ないし・・・」


はぁと大きな溜息を一つ落とすと天上を見上げた。


「あっ・・・」


そこにはキレイな女の人の絵がある。


「キレイだなぁ。うん?あれは楽譜にもなるのかなぁ?」


僕は溜息とは違う感嘆をもらした。


じっと見ていると違和感を感じた。


女の人の表情だ。


右半分は女性らしさがある微笑みで左半分は男性らしいキリッと真っ直ぐ見つめている。


「変なの・・・」


でもその表情がこの絵の良い所なのだろう。神秘的だ。


しばらく見ていると時間の流れを忘れていた。


「コウ様」


ビクッと体は跳ねた。


「あっ、リュウ・・・エン」


後ろにエンが見えて気まずい。


でも僕が悪いことを言ったんだ誤らないと。


「エン、さっきは変なこと言ってごめん」


僕は早口で誤った。


エンは


「いいや、いいんだ。俺様も悪かったな。俺様からもゴメン。で・・・なんだが・・・・・」


急にエンが口ごもり始めた。


見兼ねたリュウが口を挟む。


「さっさと言ってしまさいな。エン」


「わーってるよ。あのな?コウ俺様と契約してくれないか?」


「理由は?」


「サチに最後に会いたいんだ」


「そういうことならいいよ」


僕はエンに向かって手を伸ばした。


「握手」


笑った。その場の皆が。

決断


コウは走ってどこかへ行ってしまった。


俺は俺でコウの言葉を何度も巡らせていた。分からない・・・。コウが言っている言葉の意味が。


しばらくして落ち着いてから隣を見ると俺は驚いた。


だってそこにはリュウがいた。


リュウは天上を見つめたまま何も話さない。ただじっと眺めているだけ。


俺もそんなリュウの姿につられて天井を見つめた。


天上にはただただ大きな惑星があtってソレを神々しい人が包み込んでいる絵だ。


絵の周りにはたくさんの音符があり一枚の楽譜としても使われるらしい。


すると急に隣のリュウが口を開いた。


「ね、エン。本当によろしいの?」


「いいんだよ」


俺は短く答えた。


リュウはふうんというふうに素っ気無く答えた。


「エン、レイナ様覚えてる?」


「ああ、忘れるはずが無いだろう?あんな女」


レイナはとても美しかった。だけどその美しさは人から見れば恐ろしいものだった。


神々しくて怖かった。 だから、レイナは人とは話さないようにしたり顔を隠したりしがちだった。


人にはその容姿のせいで嫌われた。美しすぎるために。


人というものは身勝手だった。自然界が悲鳴を上げているのをレイナのせいにしたり、悲鳴を沈めるため


にレイナを大いに使った。その命を削って。


俺たちは見ていられなかった。日に日に痩せて衰えていくレイナでも美しさは失われない。


それにこの時は自然界もピークに達していた。人々が空気を汚し水に油を注ぎ土からは虫を排除し物を


燃やし続けた。通常の3倍もの力に命が使われる。


俺たちは黙ってそれを見てることしか出来なかった。無力だ。守護者なのに・・・。


「レイナ、大丈夫か?ほらこの水飲めよ」


「っはぁ、うんありがとう、ショウ」


「レイナ様、今日も歌うのですか?」


「うん、ははっ、こんなボロボロの体だけど・・はぁ、多くの人を背をってるものね 、レイ。うっ・・・」


「「レイナ」」


「ショウ レイ。もうだめかも・・・。二人とも私ね次は美しく生まれたくないな・・・。ん。贅沢だけどね。ゴホ


ッ」


「それ以上喋るな。レイナ」


「ッはぁっはぁ、ううん、喋るわ。ねぇ、お願いなの。私がいなくなって時代の歌姫が生まれると思うのそ


の子んp力になってやって。お願い」


「いやですわ。レイナ様、あなた様以外お慕いする方なんて・・・」


「慕うか慕わないかはあなた達で決めなさい。契約者をみつけてもいいわ。お・・・ねがい・・・ね。エン、


リュウ・・・・」


「「レイナぁあああああああ」」


あの日の記憶はいまでも鮮明に残ってる。


「だからリュウはコウについてるのか遺言どおり」


俺は冗談交じりに言った。


「遺言・・・、それもあるかもしれませんが私は賭けてみたいとおもいましたの。lコウ様に」


「あんな小僧に何が出来るんだよ。」


「負の連鎖を断ち切るのですわ」


リュウはきっぱりと言い切った。


「負の連鎖?」


「ええ、私が思うに歌姫という存在が必要ないのです。そうしたらレイナ様は少しはまともな人生を終え


れたと思いますわ。」


「ほお」


「誰かが歌姫という位置を作ったそれを突き止める。ソレが私の目的」


「ふっ、おもしろいな。リュウらしいな」


俺は鼻で笑った。


隣で真面目な声で


「エンも来ません?一緒に」


「はぁ、俺にも選ぶ権利ってモンが・・・」


「エン、コウさまの言葉聴いたでしょう。あの感情は私達には分からない。でも、ソレを見つけるのを手伝


ってもらえそうなんです。コウ様は。」


俺はそっぽを向いた。


「こっちを見てください。知りたくないんですか?」


目を合わせると答えられない。


「知りたくないのですか?」


もう一度聞いてくる。


「しりた・・・・い」


そう答えるとリュウは急に俺の手を引いて歩き出した。


「おい、どこいくんだよ?」


「もちろんコウ様の所ですわ」


そのときの彼女の笑顔は可愛かった。