ハペトロジストの脳ミソ -2ページ目

ハペトロジストの脳ミソ

1999年生まれのハイイエロー♂、その娘で2011年生まれのハイイエロー♀️2匹含む計10匹のレオパを飼育中。
タイトルの由来はハペトロジー(herpetology)から。

先日の能登半島地震から、ペット関連の問題についての意見をあちこちで目にするようになった。


避難先、譲渡、飛行機等の交通機関での扱い等…


ペットを家族と同等の視点で見る人と、ペットはペットであるという人の視点でかなりの差が生じるのは仕方のない事。

だが偏った意見も少なくないという現状は、ある意味危険だなとも感じる。


命にかかわる危機的状況と日常生活とでは比較にもならないが、それらを混同して同じように考えてしまう人も少なくない。


爬虫類や両生類、魚類や昆虫類は飼い主に対して愛着を持たない事から、飼い主が変わることは大した問題ではないという意見がある。

だがしかし、“大した理由も無いのに安易に”手放す状況というのは生き物を飼う上では当然ダメな行為でしかない。
そういう人は最初から何も飼うべきではない。

例えば、
・思っていたのと違う。
・大きくなった。
・飽きた。
・身近な人が嫌がる。
・生体が病気や高齢になった。
・先住動物と喧嘩する。
・世話を負担に感じる。
・臭い、汚れに堪えられない。
・金銭的に負担に感じる。

これらは予想のつく事である。

爬虫類、両生類、魚類、昆虫等のように、例え生体が人間に愛着や依存する性質が無かろうが、どんな生き物であれ安定した生活を送りたいものだし、環境の変化は大なり小なり何かしらの影響を及ぼすものだから、飼い主の変更というものはそうそうあってはならない。

終生飼育は生体の心身の健康に直結するからこその飼い主の責任、という事を忘れてはいけない。


緊急事態については、日本は災害大国であるという事実は大昔からわかっていることで、いつどこで何が起こるかわからないのが地球である。

避難先、運び出し方法、当面の管理方法、最悪の事態を想定した譲渡先等、過去の事例等を参考に纏めておくのが良いだろう。
特に多頭飼育者については、いざという時にどうすべきかを予め考えておく必要がある。

生き物の種類や数によっては避難所の受入困難な場合もある。
自分で出来る事にも限界はあるので、共倒れにならない方法を選択する意味での譲渡はやむを得ない事。
飼い主の生命維持も危ぶまれる緊急事態は“大した理由”で“安易ではない”やむを得ない譲渡=これは何人も否定してはいけない状況だ。

それらを踏まえた上で、飼育頭数の制御というのも大切なことである。
沼にハマって、イベントでついつい財布の紐が緩んで…と次々と“お迎え”してしまう状況にならぬよう、一度冷静になり、考えるべきかもしれない。


公共交通機関を使った移動について、特に最近話題になった飛行機によるペットの移送だが、引越しや売買含む譲渡等、長期的または永続的な理由によるものの他、短期の旅行の同伴利用もあるだろう。

先日の事故を受け、貨物室でのペットの保管について意義を唱える意見を見掛けたが、その中に客室への同伴を主張するものが多々ある。

これに関しては大勢の人が乗り合わせる状況であることから、アレルギーやマナー等の観点から賛成されるものではない。

アレルギー体質の人は最悪命にかかわる場合もあるし、緊急事態のパニック状態で自身の精神も危ぶまれる最中、更にパニックに陥ったペットを確実に制御出来る人はどれだけ居るだろう。

周囲への配慮も飼育者の責任であり適正飼育の原則的な事柄であるという認識を持たなければならない。

命あるものであるという事は大前提であるが、生き物の命を守る為にも、色々な事態や状況を考えて責任ある行動が出来るようになりたいものである。