無知な人というのは意外と人を疑いやすかったりする。
いくら正論で理詰めにしようとしても、そもそも自分にとって都合のよくない情報は耳に入らせないという特技を持っていたりする。
しかも知識がない分直感だけで物事を決めようとするので、意外に嘘と本当を見分けやすい。
面倒なのは中途半端に物事を知っていたり、小利口だと自分で思っている人の方だ。
往々にしてそういう人が持っている知識というのは実践や経験で得たものというよりは、偏った本を読み重ねたものだったり、人づての噂が出所だったり、先入観で判断した乏しい見解だったりする。
反対に言えば、人を騙すのがうまい人というのはこの偏った知識と大きなプライドのある人を瞬時に見分けることができる人と言える。
そういう人には必ずひずみともいえる突かれた瞬間一撃でやられる部分がある。
「自分は絶対に騙されない」と思い込んでいる人の方が騙されるというのはここがポイントなんだろう。
中途半端に物事を知っていることは、全く知らないよりも危険だと思う。
悟るほど、全てを身に染みて知っている-----例えば、人に殴られるとどこがどうなるかを本や人の話だけで知るのではなくて、実際に殴られたことがある-----ほどになるまでは、自分は「騙されやすい、弱い部分のある人間なのだ」と常に自覚していないと、いつか誰かに騙されてしまうんじゃいかと。
そんなふうに考えてる。