2024年の夏、いつものように蝉の声がうるさい。
日差しは照り付け、アスファルトが熱気を帯びていた。
いつもの散歩道も、いつもの公園も、何もかもが同じなのに、何かが大きく変わってしまったように感じた。
17歳10ヶ月、我が家の太陽だったミニチュアダックスの勇太が、静かに息を引き取ったのが8月10日のことだ。
最初の頃は、毎晩枕を濡らした。
勇太のいない食卓、勇太のいないソファ、勇太のいない部屋。
どこを見ても、勇太の気配がして、心が締め付けられるような思いだった。
スマホのアルバムを開き、勇太の写真をぼんやりと眺める日々。
子犬の頃のふっくらした姿、散歩中に嬉しそうにクンクンする姿、ソファで丸くなって眠る姿……。
一つ一つの写真に、当時の記憶が鮮やかに蘇り、涙が止まらなかった。
でも、そんな日々が少しずつ変わってきた。
ある日、いつものように勇太の写真を見ていたら、不思議と涙が出なかったのだ。
もちろん、勇太への想いは変わらない。
でも、心が少しだけ軽くなった気がした。
それは、勇太との別れを受け入れ始めたということなのかもしれない。
勇太との17年以上の歳月。
たくさんの愛情を注ぎ、たくさんの喜びを分かち合った。
散歩の途中で見つけた小さな花、一緒に見た夕焼け、ソファで寄り添って眠る穏やかな時間……。
一つ一つの記憶が、私の心の奥底に刻み込まれている。
勇太がいなくなった今、私は、あの頃の記憶を大切にしながら、少しずつ前へ進んでいこうと思っている。
勇太との別れは、とても辛い経験だったが、その経験を通して、私は多くのことを学んだ。
たとえば、命の大切さ、愛することの喜び、そして別れというものが、人生には必ず訪れるということ。
勇太との別れは、私にとって大きな転機になった。勇太との思い出を胸に、私はこれからも生きていく。
そして、いつかまた、勇太に会える時が来ることを願っている。
作者（おっさん）のコメント
この物語は、ペットロスを経験された多くの方々への共感と、そして未来への希望を込めて書きました。
ペットとの別れは、誰にとっても辛い経験ですが、その経験を通して、私たちは成長し、新たな一歩を踏み出すことができます。
この物語が、少しでも読者の皆様の心の支えになれば幸いです。
