打ち上げが変更になってぽっかり空いた金曜日の夜。

Bunkamuraでゲンスブールを見るか、ワシントンナショナルギャラリー展をみるか迷った末

空いてるという口コミを信じて乃木坂へ。


本当に空いてました!びっくり!!

始まったばかりの金曜日だしそれなりに覚悟して行ったけれど、こんなにストレスなくゆっ

くり見られるなんて・・・・。信じられない、フランスの美術館みたい。


大規模な展覧会で印象派となれば混雑必死。それが嫌でまず印象派は行かないのだけ

れど、今回は83点の出品作品のうち50点が日本初公開で、常設コレクションからは一度

に12点以上を貸し出してはいけないという厳しい規則があるなか、史上最多の9点が来

という記事を読んでどうしても見たくなってしまった。



何かと太っ腹な美術館。震災後でもまったく企画内容が変わらなかったらしく内容も素晴

らしいものでした。


挙げたらきりがないけれど、なかでも印象に残ったのはマネの 「オペラ座の仮面舞踏会」

上下に分かれた独特の構図。これだけ黒を使っているのに一人一人を描き分けていて

なおかつ華やか。右から2番目にマネ自身も描かれ、マネもこの時代舞踏会を楽しんで

いたことがうかがえる温かみのある作品。


それから大御所のセザンヌとルノワール。

セザンヌは息子に後を継がせたいと思っていた父親が威厳のある顔で新聞を読む姿を

描いているのが印象的。


ルノワールの絵はどの人物画もとても美しく描いているのがかえって不自然だし、貴族

趣味な感じで今まであまり好きではなかったけれど、今回モネの奥さんと子供を描いた

絵をみて感動。

輝くような光の反射、白の軽やかなドレスの質感を感じさせる絵。

二人の表情も自然で少し見方が変わりました。


ゴッホはやはり素晴らしく「薔薇」はひまわりと対照的な色遣いで惹きこまれてしまう。


常設の一つで印象に残ったのがメアリー・カサット 「青いひじ掛け椅子に座る少女」

眠そうな犬と退屈している少女、それから4客の青い椅子。個性的な構図と何とも

言えない美しい青の椅子。

ドガとの出会いがきっかけとなり素晴らしい絵を残しているけれど、女性の画家がまだ

珍しかった時代、苦労も多かったでしょうね。


他にもリトグラフやエッチングがたくさんきていて色がのっていない分筆致がよくわかり

興味深かったです。

大好きなロートレックも何点か。



ワシントンナショナルギャラリーは、カーネギー・メロン大学をつくった実業家で美術館の

創設者であるアンドリュー・メロンの志を受け継いですべての作品が寄贈だという。

まさにアメリカ国民が自分たちのためにつくった美術館。


空いていたこともあり素晴らしい作品に囲まれて優雅な気持ちになれたおすすめの展覧会

です。