『マイバックページ』を見た。

団塊の世代はずっと苦手。数をたのんでやりたい放題なイメージ。
私たちが就職した頃管理職だったため、まず個を優先させる私たちに我慢ならな

かったみいで強烈な圧迫感だった。

国も自分たちの手で変えられると思っていた彼らが没頭した学生運動。

そのあとに続く過激派の事件。


当時の本を読んでもその勇ましさばかりが際立ってよく理解できなかった。
二十歳前後でこんなこと考えていたことが信じられなかった。

でも昨日この映画を見て彼らも自分たちと同じ世間知らずな弱い
学生だったことに

初めて気づいた。

世の中の空気や集団の中の異様な連帯感の中で違和感を感じながらも抜け出せ

なくなってしまう。結果大事件へとつながり、マスコミによって虚像が作られる。


中には違う人もいるかもしれないが大半がそんな人間だったのではないだろうか。

自分の言動に何一つ責任がとれない人間なのに虚勢をはり、ついには仲間に殺人

までさせてしまう学生と、それを見抜けなかった若いジャーナリスト。


時代の閉塞感が伝わってきたし、松山ケンイチも得体の知れない学生をよく演じて

いたと思うけれど、最後の妻夫木聡の涙には映画の中で再三でてくる「感動した男

の涙」が感じられず消化不良。


川本三郎のノンフィクションの映画化。

映画はよくできているし、全共闘時代に興味がある人にはおすすめ。