いつからいたのか

思い出されるものは

瞬間で

そこにいたった過去は

見あたらない


覚えているのは

その瞬間を

忘れることがないようにと

心に決めたこと


そこからどんな経緯があって

ここにいるのか

分からないのだから

ましてや過去の過去なんて

思い出せるはずもない


いつからだろうか

そんなことを気にし始めたのは

ビルがなかった風景

道がなかった街並み

博物館に並べられたこの土器は

どこにあり

誰に使われていたのか


無数に並ぶ窓の中から

私はなぜそれを選んだのか