私の大好きなてったがなくなってもうすぐ丸11年になります。
後2か月で8歳になるはずだった…
急に血尿を続けざまにしてそれを手に受けたあの時から、てったは急激にいっきに
体調を崩していきました。
お水お水をあげなくちゃ
飲んで、とにかく飲んで
脱水を心配して私は無理やりシリンジでてったの口に入れようとしました。
でも、それは無駄な努力だった。ごはんはおろか、お水までも拒否したのです。
それは、今思えば「もういらないよ」というてったの意思表示でした。
今は分かるけど。
あの時の私は心の準備ができていませんでした。まだ。本当は薄々感じてはい
たんだけどね。気付かぬふりをしていたんです。
何とか持ち直すように願いながら、家族はてったの周りに布団を敷いて。夜も更け
た頃、家族はみんないつの間にかうたた寝をしていました。
起きててったを見た私は、「あれ、てっちゃん起きてたの」
目を開けたままこちらを見ているのです。でもなんだか不思議だなぁ~起きて
るのにじっとしているなんてありえない
てったはとにかくじっとしていない子でした。その性格は死ぬまで変わり
ませんでした。噛み噛みマンだったし
「てっちゃん」と呼んでもてったはじっとうごかないまま。
やっと家族を起こしました。てったは目を開けてこちらを見たまま亡くなって
いました。不思議な静寂。家族は誰も何も言わずてったを眺めています。
しばらくそのまま誰も動かないで布団の上に座ってジ~とてったを見ていました。
しばらくして、みんな氷が解けたようにてったをとり囲みタオルに横たえました。
てったの最後を誰も見ることができなかったのです。
ちょっとの間うたた寝をしたその隙に、だれにも看取られず逝ってしまいました。
でも今は思います。逝くところを見られたくなかったのかもと。
悪戯っ子で噛み癖強くて、頭が飛びぬけてよくて、愛され方を心得たてったという
男の子は、死ぬ時も自分流を貫いたのです。
てったは私のお気に入り
それは今も変わらないよ