必要なモノ
必要じゃないモノ

淡々と仕分け作業をしていた。
いらない、いらない、いる、いらない…
必要じゃないモノが沢山あった。

必要じゃないモノ…


でも
それは誰かが欲しくて買ったモノだった
いくらかのお金を出して買ったモノ達が
いらないモノとして目の前にある。





「オレが働いて稼いだ金」


なんだか悲しくて虚しさを覚えた。
さっきまで仕分けしていた手が動かなくなってしまった。

徒労感に襲われ立って居られずソファーに沈み込んだ。

決心し片付けを始めたのに…
家を片付け始めた理由はいくつかあるのだけれど
今までがんばって仕事をしてきたことが無駄だったように感じてしまい挫折してしまった。


彼とは話が合うので沢山の話をする。
本や音楽、政治や食べ物と話題は尽きないんだけど


「〇〇の本が読みたくなったな」
「〇〇のCD持ってる?」
「もっと長いコートが似合うと思うよ」

キャンプ用品が…
Zippoは…
プロ野球カードを…
GUCCIの…PRADAの…

今度貸してよ〜
今度見せてよ〜
と私が言うと

彼の答えは

「家にあるけどどこにあるか分からない」
「どっかにしまってあるんだけどな」


口の悪い私は決まってこう言っていた。

はぁ〜( ̄^ ̄)
「家にあっても使わないんじゃ、持ってないのと一緒じゃん」

彼は
そんなこと言うなよと笑っていた。