原作を読んだことはないのですが、

コメディではないもので名作認定したいドラマは久しぶりだわ。

役者も、演出も、脚本も、音楽も、すべてが出すぎず引きすぎず、

バランスがとれていて、伝えたいことに一貫性があった。

 

私の母は私が18の時に突然死しているので、

今日のラスト、おじいちゃんの「どうしてここに里子(娘)がいないんだ?!」にも

お父さんと朝顔の会話にもぐっとくるものがありました。

もちろん私は母の遺体とも対面しているし、

事件性のある死でもなかったので、彼らの思うところとはずいぶん違うと思います。

ただ、娘は私の母のことを写真でしか知らないので、

生きてリアルに幸せを分かち合えないことに、ふと寂しさを感じることがあります。

ラストの朝顔さんと平さんの語らいは、そんな私の心にも温かいものでした。

 

もう8年も前に母の死について書いていたのでお暇な方は併せて読んでいただけると

私の思いも伝わるかと。

 

さて、監察医朝顔についてですが、

何と言っても上野樹里が素晴らしかった。

私の中で名女優の基準は「泣き顔」なので、

初回からやられっぱなしでしたよ。

私的泣き顔美人ベスト3(松島菜々子、常盤貴子、広末涼子)に

食い込んできた感じです。

そして、若い時と母になってからの演じ分けもうまかった。

外見はほぼ変わらないのに、ちゃんとお母さんなんですよね。

これは脚本家も上手だったからなんでしょうけど。

脚本も、すごく練られていましたね。

2話だか3話が京アニ事件と共通する内容だったので

検証と焼き直しをしましたが、その内容もお見事でした。

 

最終話では志田未来がこれまた最高の泣き顔を。

普段命を救えない法医が、一人の命を救えたことで流す涙は

なんとも言えないものがありました。

彼女の成長の証ともいえる最高の表情をしてくれました。

 

個人的にうれしかったのは山口智子が正しく使われていたことですね。

彼女は私(よりほんのちょっと上)世代のアイコンであり、かっこいい女代表でした。

それが時代になじめないまま老けちゃったような「痛いおばさん」的な役とか

なんの芸もいらない「本当に普通のお母さん」とか、

プロデューサーの無能感満載の使われ方してたんですよ。

見てないけど「なつぞら」とか最悪だったみたいだし。

 

ということで、これすべてまとめたプロデューサーについて調べたら

こんな記事見つけました。

月9『朝顔』Pインタビュー、誕生きっかけは「上野樹里との出会い」「1話完結ドラマへの違和感」に

若手のプロデューサーさん、この良さをこれからも生かしてほしいです。

話題性だけで1話を見せて、あとは惰性で見るようなドラマはいりません。

最終回で続き(最後の謎解き)はHuLu(有料)でというドラマもいりません。

今回のような良質なドラマをずっと作ってほしいと思います。

金城綾香さん、覚えておきます。