映画『西の魔女が死んだ』| Filmarkshttps://filmarks.com/movies/12112
中学の頃、職場体験で3日間お世話になった芸術士さんからこの物語を手渡された。
最初は、1週間ほどで本を返す予定だったのだけれど、中学生の頃の私は、今よりもずっと頭の中がノイズでいっぱいで、ずらっと並ぶ活字を目と頭が受け付けず、返せずじまい。とうとうその本を芸術士さんからいただいてしまった。
今でも繋がりのあるその芸術士さんのことを、私は魔法使いだと思っている。
あの3日間、毎日濃くて、たった3日だけだったはずなのに、1週間くらい芸術士さんたちと沢山の画材が乗ったワゴンで小学校や保育園を巡っていたような気がする。
その頃の私は保健室登校明け。学校の安全地帯といえば、私を静かに肯定してくれる保健室と、不器用に手を引いてくれる親友しかいなかった。
そんな、保健室登校明けの職場体験。
正直どんな話をしたか覚えていないけれどーー
あ、私の夢の話、初めてしたのが芸術士さんだったな。
失敗もしたり、とかく一生懸命で、あっという間で、濃密な3日間。そして、最終日に芸術士さんから手渡されたのがこの、「西の魔女が死んだ」。
職場体験の余韻に包まれながらページを開いた。そしたら驚いた。
この「まい」と言う少女が私にそっくりなのだ。
感受性が強くて、扱いづらい子。うん、否めない。まいと一緒に苦笑いした記憶がある。
そしてまた、教室の喧騒に飲み込まれ、中々その本を手に取って読み進めることができなかった。
今日、やっと「西の魔女が死んだ」の物語の全貌を観たが、やっぱり私、中学の頃から変わってないなぁ。
その後も、芸術士さんと繋がりがあり、高校生で「エスケープ」した時も、「変わらないなぁ」と言われた。
その一言に安堵もするけど、背筋が少し伸びる。
そして、今回の大学生でのエスケープもまた、魔法使いの彼は私を見て「変わらないなぁ」と呟くだろう。