わたしの母
サラダ お味噌汁 ごはん 葡萄酢 おしるこ
食事処の中には お宝が たくさん。
仏像好きの みうらじゅんも きっと
神戸のばあさんが やらかした。
食料と 一緒に送った 二万円を 捨てたのだ。
前科三犯。
まず 母は 手足が不自由で ひとりで外出不可能。
もちろん 料理もできない。
でも
遠距離介護中につき おかずを たくさん作り それらを
冷凍したものと 市販の冷凍食品や レトルトカレー 納豆 明太子 など いろいろな食料。
服やら(やたら 服をほしがる)ボラギノール(切れ痔)やらの 日用品
仏壇のお菓子 という名の ばあさんのおやつ
などを
月に 4〜5回 宅急便で 送っている。
たまに 巣鴨グッズ。(下着 お茶 黒ごま マヌカ蜂蜜 洗い観音さまを 洗ったお身拭い)
足りないものは ヘルパーさんに 買いに行ってもらうために 月に一回 二万円同封。ほんとは いけないかもしれないけど
仕方がない。
初犯
数年前に ゴミ袋に ばあさんが
お金をうっかり捨て
ヘルパーさんが それをゴミの日にだした。
わたしが 電話で 送ったお金ちゃんと 財布に入れた?の電話で はっ!と 気がつき 収集されるまえに ヘルパーさんがギリギリに 救出。
2犯目は 引き出しに ちゃんと入れたのに ない
と 大騒ぎ。 2年後に 引き出しの奥の向こう側に 落ちていた 二万円を わたしが
発見。
だから お金を 同封するときは
目立つように 絶対捨てられないように
毎回 工夫を 凝らし 電話で 入ってるからね‼️ と 念押ししていた。
今回も ジプロックに しゃぶしゃぶ餅を入れ それと一緒に 二万円も 入れ
黒マジックで でっかく おかねもち と
書いた。それでも 不安だったから
買った服の袋の開けぐちに ガムテープで
ひっつけて これを 取らないと 開かないようにした。
嫌でも 気がつくようにしたのだ
それなのに あー それなのに
ばーさんは 捨てたのだ
わたしも 悪かった。 お金いれてるよ!
と ひとこと言うのを この日に限って
忘れたのだ。
送って3日目に そういえば せっかく
シャレで もちに おかねを インして
おかねもち って 書いたのに
なんの 反応もないなぁ? と 嫌な予感が
よぎったのだ。
不安を抱え電話した。
血の気は もう ひく準備をはじめていた。
お金 気がついてるよね?
はぁ? そんなの入ってなかったよ!
入れてたよ! おかねもち って ジプロックに 書いて もちと一緒に!
もちなんか 入ってなかったよ!
入れてたよ〜〜
ばあさん パニック。
(やっと 文字が普通にもどった)
そのあと 這いつくばりながら 冷蔵庫の中やら あらゆるところを 数時間さがしたらしいが 見つからなかった。
ばあさん ビービー泣き叫び
もう 無い物は 仕方ないから あきらめり!
そのかわり 服はしばらく買わない
と 優しく 言ってあげてるのに ビービー泣き叫び
えーい! めんどくさっ
厄落としや! 二万円で 厄払いしたと
思い込んだら いいよ!
はい これで 厄が 落ちた‼️
と 数回 言い聞かせたら やっと 落ち着いた。
やれやれ まったく 撃沈は こっちの方や
ばあさんパニックの間に チビ子から
毎日の日課の 怖い話ししてぇーの
電話は かかってきたが 気分が ドヨヨヨーンだから いつもの即興は 無理。
この数ヶ月 朝も怖い話しを ねだられて
1日4つの 怖い話しを しているので
こんな 撃沈の日は 特に 無理だ
あるところに ばあさんが 住んでいました。
ばあさんは 二万円もの大金を ゴミと一緒に捨ててしまったとさ。
わたしに とっては これが いちばん 怖いはなしだ
仕方がないから 手抜きして 13日の金曜日に ジェイソンが 襲いに来たはなしをしてあげた。
チビ子が ジェイソンって だれぇー?
電話口で 叫んでたから
怖い人‼️と
適当に答えたが
いまの わたしにとって
ジェイソンは 神戸のばあさんじゃ。
この日の 夕方までは
わたしは 久しぶりに 楽しい休日を 過ごしていた。
そうだ 高尾山 に もみじ膳を 食べに行こう‼️ と 思い立って 電車に 飛び乗ったのだ。
11月いっぱいは もみじ膳は 予約なしで
オッケー。 100食だけ 準備されているときいた。
まぁ 平日だし 紅葉シーズンも 終わりがけだし 大丈夫だろう
だが よみが あさかった。
駅には 日曜も平日も 関係ない 元気な
お年寄りがわんさか。 ついでに 中国 韓国
どこかの国の 人たちも わんさか。
ケーブルもリフトも 長蛇の列。
ハケがよい リフトを チョイス。 リフトは
乗り降りのタイミングが 掴めないから
避けたかったが もみじ膳のために
乗ることにした。
知る由もなく もみじ膳に 希望が ふくらんでいた。
微妙に 揺れるリフトの恐怖に 耐えながら
震える手でスマホを握りしめ
渾身の一枚。 だからなのか 高尾山の景色の良さが 出てない平凡な一枚に
やっとの思いで リフトから 降りると
山道は 原宿のような 賑わい。
もみじ膳の100食は もう 時間の問題だ
急ごう!
坂道を
早歩きで いっきに 駆け上がり 足より口が動いている お年寄りたちを ごぼう抜き。
もう ゼーゼーハーハーだ。
薬王院が 見えてきた。 ゴールは近いぞ。
ラストスパートを かけて 食事処到着。
ちょうど 食事処の従業員のおじさんが立っていて
食事? と 聞いてきた。
ゼーゼーハーハーしながら ハッ ハイ
と いうと もうすぐなくなるけど まだ
あるよ!
くつは ここに おいて! 奥に行って!
言われるままに くつを 脱いであがると
食事処は 広間に テーブルが たくさん。
ざっと 100人は座れそうだ。
お一人様でも ひくつになることなく
気兼ねなく 気持ちよく過ごしやすい。
目的のもみじ膳
湯豆腐がある。
初めての
精進料理 マグロの刺身もどきや ウィンナーもどき 唐揚げもどき 鰻の蒲焼もどき もどきの オンパレードだ。
わたしは 北川景子もどきサラダ お味噌汁 ごはん 葡萄酢 おしるこ
は 食べ放題。
撮るの忘れて 半分食べてしまった。
どれもこれも 美味しかった
変なもの握ってるのが 一本はあるはずだ
と さがしてみたが
見当たらなかった。
絵画だから ありがたく感じるが
こんなのが ウネウネと 道を歩いていたら 空恐ろしい
北島三郎が贈った花。
そういえば
高尾山で どこからともなく サブちゃんの歌声が流れていた。
サブちゃんと高尾山は 縁とゆかりがありそうだ。
唱える時に カミカミに なりそうだ。
たぶん
天上天下唯我独尊 と 生まれたての
お釈迦さまが 叫んでる図だな。
生まれて 7歩歩いたらしいな。
中学の仏教の時間に このシーンの
感想を 書かされた。
わたしは 生まれてすぐに 7歩あるくなんて ありえない。 しかも 自分がいちばん
偉いだなんて うぬぼれている。
と 書いたのを いまでも おぼえている。
まったく よみが浅い バカな 中学生だった。
暗記できるまでに 時間がかかりそうだ。
仏像好きの みうらじゅんも きっと
満足するだろうと 思われる 絵画や
天狗のお面が飾られていた。
ばあさん二万円の悲劇を まだ 知らない
わたしは 食後 有頂天になり ひとりで 激写しまくった。
このとき ほんとは さきに お参りしてから 食事処だよなぁ と 一抹の不安が。
リフトの下山は めちゃ高いところから
降りていくから 怖い。
リフトの棒に ヒシとしがみつく おばさんは
もっと怖かったかもしれない
ばあさんの好きな 天狗のへそのゴマも
購入。黒豆のお菓子。
奈良の鹿の糞みたいだ。
これを買うまえに 間違えて 天狗のはなくそを
買いそうになった。 天狗シリーズ多すぎて紛らわしい。
その 直後に ばあさん二万円事件が
勃発し わたしは 天国から 地獄へドーンと
突き落とされたのだ
薬王院を通過して もみじ膳に 走った罰か?
ばあさんは 送った服に
狂喜乱舞したらしく 服のつつみと 一緒に
捨てたに違いない と 分析していた。
そして 昨日 ケアセンターの仲間に
この話しをしたら お金が入っていることを 一言いわなかった娘が悪い と いう
結果になったと 報告してきた。
はいはい わたしが 悪いんです。
と 面倒だから 応えてあげた。
チーン