この間から、2度読みした「草原の椅子」の主人公二人の男、50歳。


二人は、50歳になってから親友になった。ありえない、小説の中だからであって


現実「親友になってくれ」って50歳の男に言われたら・・・でも50歳ってまだ大人じゃ


ないのかもしれない。この本の二人の男の中には、間違いなく青い少年が住んでいる。


   孔子の人生を語った有名な詩?


     吾十有五にして学を志す

     三十にして立つ

     四十にして惑わず

     五十にして天命を知る

     六十にして耳を順ふ

     七十にして心の欲する所に従いて、矩をこえず。



 五十歳になって始めて天から与えられた使命を悟る、ということは


ジャスト50歳から60歳の10年間の間に、人には成熟の早い遅いがあるので、その間に


大人になればいいのか、と勝手に都合よく解釈している。


 男の50歳の話はここまで、女50歳の話を今日は書こう。

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 彼女は、ドキュメンタリー映画の監督。デビュー作は「HERB and DOROTHY」


彼女の右横にいるのがあのアーティストのクリスト、残念ながらいつも一緒に並んでいた愛妻の


ジャンヌ・グロードは亡くなってしまった。この写真は、佐々木芽生(ササキ メグミ)さんの


ブログから拝借しました。5年ぶりインタビューでの写真です。


 さて、映画「「HERB and DOROTHY」はというと、映画の内容ですが、ワタシは


映画の感想を書くのがヘタだから、ざっと内容を書きますと、マンハッタンの小さなアパートに


住む、カップル、夫は郵便教員、妻は図書館勤務どちからかと言えば、慎ましい二人です。


しかし、この二人には、神からのギフトを授かってこの世へ送られてきたんです。


人が考えていることが瞬時に、わかる力。いいえ違います。


千里先のこおろぎの鳴き声が聞こえる耳。いいえ違います。


細い腕で、車をひっくりかえすことのできる怪力。いいえ違います。


アートを見る審美眼を持っているのです、しかも夫婦揃って。


審美眼というものは、もうこれ持って生まれたものとしかいえません。


50年にわたって、彼らのサラリーの中に見合うだけの現代アートを買って買って


買い捲り、その数4000点を越え、アメリカ全土の美術館から、ゆずってくれないかの誘い


にいっさい応じませんでしたが、老境に入った二人は考えた末に全てをナショナル・ギャラリーへ


寄贈したんです。1点売れば、大きな家が買えるような作品が、小さな1LDKのアパートの中に


ぎっしり詰まっていたというお話。この二人のことを世界中の人に知ってもらいたいと思った


彼女は、ドキュメンタリー映画を撮ることを決断するのです。


その決意が2004年ですから、4年かかって2008年に映画が完成。


現在50歳の彼女ですが、6年前の44歳の時に、惑わず、50歳で天命を知ったということで


しょうか?


あーーなんと、自分と比べてはいけません、それはあまりにでも突飛すぎてお笑いです。


彼女とワタシでは王様としもべ。


人は何かをなしとげたから、生の意味がある。とは、思っていないけど。


世界に誇るコレクターになった二人を同じアメリカ人はただ、ものめずらしがってただけ、


有名になった二人だけど、彼らの生き様、人間の持つ情熱の熱さ、人というものは


お金も無くて、つまらない仕事をして、冴えない人生を送るのがほとんどの人の人生。


しかし、皆が持っているはずの自分の情熱に気付かない、鈍感で想像力の無い人間。


簡単に言えば、何かに夢中になる「好き」という感情に他ならないのに。


突き動かされるような、いてもたってもいられない。何を捨てても


「好き」・・・物でも行為でも、それに従っていくとき、本当の豊かな人生をおくることが


できるのではないだろうか?


人が幸せに生きることとは・・・・


自分が幸せかどうかは人が決めるじゃなくて、自分が決めること、返して言えば人がどう


思うと関係ないってこと。空気が読めないって人から嫌われたって関係ないんだ。


そんな小さな空気の中で生きていくわけじゃないんだから。


あれあれ、また道をそれてるようだ。


そんな二人の純粋な情熱に従った生き方に感動したのが一日本女性だったということが、


ワタシの心を動かしたんです。映画以上に感動したんです。


続編も今年完成したようです、その後の「「HERB and DOROTHY」は二人の


コレクションはとうとう全米50州に50作品つづ寄贈され、全米の人たちが、見ることが


できるようになった過程を、ドキュメンタリーで撮っています。


お金のない一日本女性の低予算映画を見てやっと二人の偉大さがわかったのか、アメリカ人


一美術館では収集できずに、全米の美術館で二人のコレクションを置く計画がすすめられた。


最初のDVDを購入しましたが、その一部が続編の制作費の一部となるということで、けちんぼ


なワタシですが、胡麻粒一つでも、世界中の人に二人のことを知ってもらいたいという


気持ちです。前編には有名なアーティストが揃って出ていてワクワクします。


人生ってね、誰がなんと言おうと、好きなことをしなきゃって思える。


キュートで、本物のインテリジェンスを持ったすごい夫婦です。


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そして、その二人の本当の価値を認め、なりふり構わず、情熱に従った佐々木さんを同じ日本女性


として誇りに思います。


50歳~60歳の間になんとか、大人にならないと。


その後、六十になったら、人の話が素直に聞けるようになるらしいです。


しかし、そんなこと言った、この人2千5百年前の中国の偉い人ですからね。


常人には、同じ時間がやってくるとは思えない。


今日のお題は「大人になるということ」のPartⅡなんだけど、おかしいかしら?


だらだらと下書きなしに書いてるので、本筋を離れてるかもしれない。


あーと、アートに興味ない人、日本人には多いけど、特に現代アートわからないって人。


ハーブに「なぜこの作品を買ったんですか?」との質問に


「好きだから」ってしか答えないんですって。


「好き」ってことはすごいことだな。奇跡を運んでくる。