2,3日前に、初雪をみました。


そして、神様が一足早くプレゼントをくれんたんです。



  「うそやったん?」


  「そうや」


  「ほんまに、死んでなかったん?」


  「そうや」

  
  すました顔で、少しあいた口から、ハリウッドスターみたいな歯がみえる。


  鼻がなんか重たい感じ、目玉がビー玉みたいになってきた。


  あかん、泣いてしまう、せっかく逢えたのに。


  「ママぁー」


  だきつこうとしたら、スーとからだをそらす。


  本物のママや、いつも触ろうとしたら、スーとからだをかわすしぐさ。


  お気に入りの茶色のミックスの毛糸で編んだざっくりしたセーターを着てる


  細いサブリナパンツもママが大好きでよくはいてた。


  細いヨウモクの煙草の箱と、百円ライターを片手にもってる。


  ベージュのマニキュアもいつものとおり。ママやわ、本物のママや。


  ママ、死んでへんかったんや。どないしょう。



 
 
  狭い階段を上がる、なじみの喫茶店。

 
  のぼりきったところで、ママにばったり逢った。


  「ほな、またな」


  あーー、まだ触ってないのに。。。


  ママ。。。。


  ママはワタシのからだの中をサーと通り抜けて



  トントントンと階段を下りて、すぐにいなくなったしまった。



  「うそばっかり、ついてからに」



  枕元の時計の頭を障ったら、オレンジ色の4:23


 
  足のさきっちょで、生ぬるい湯たんぽを探す。


 
  顔を横に向けたら、枕が冷たかった。


  
  片方の目から鼻をつたって、もう片方の目に二個分の涙がたまった。


  
  ママ、逢いに来てくれたん


  

  ありがとう。





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