何かのきっかけで、ずっと頭の中でぐるぐると同じ歌詞やメロディーが

巡るという経験、誰しも覚えがあると思うのですが。

たぶん、浜勝でヒレカツ定食を食べた時から、始まったと思います。

ほぼ、1週間続いています。



  森とんかつ

  泉にんにく

  囲ンニャク(かコンニャク)

  まれ天丼(天ぷらや天カスでもよかった)

  静かニンジン

  眠ルンペン(なぜか、ここだけ食べ物じゃない)

  ブルー ブルーシャトー

 この替え歌知ってる人、古い人の部類に入ります。

 まあ、子供の頃に知っているか、大人やったかによりますけど。

 日本中の大人子供が、ほぼ毎日口づさんだ、名曲?です。

 ちなみに、ワタシ、ハワイへ行ったときに、メンバーの一人とホテルが

 一緒でして、ご夫婦とプールでもご一緒いたしました。(余談ですが)

 その時、この替え歌の話したんですよ。
 
 芸能人発見話が、自慢できるミーハー根性丸出しの昭和なおばちゃんです。



 子供の頃から、何かちょっとウキウキしたようなことがあると、すぐに

歌が浮んでくる性質(たち)なんです。ママと商店街を歩く時はたいてい

テレビで覚えた歌か、学校で習った歌を歌っていました。

まあ、子供ですから、ささいなことです。

めったにないことなんですが、おかあちゃんと一緒に買い物に出かけて外でご飯を

食べる時、これはもうウキウキどころの騒ぎではありません。

お正月とクリスマスと運動会とお誕生会(子ども会の)が一度にやってきたような

てんこ盛りの、嬉しさです。

おかあちゃんは、喫茶店や小料理屋などを経営する、今で言うたら女実業家ですから

買い物といっても、スーパーに行ったりするんではないんです。

お化粧品を買いに行ったり、下着を買いに行ったり、いつも決まったお店です。

いい匂いがして、綺麗な女の人がいて、商店街の中にあるお店ですから、ワタシも

当然顔見知りです。

「えーなぁー、ベーちゃん、ママと一緒か」

「はい」

いつもは「うん」って言うんですけど、ママと一緒の時は、とても礼儀正しい子です。

「今から、ご飯食べに行くねん」

「いやや、ママお腹すいてないから、あんた一人で行っておいで」

こんな、イジメは日常茶飯事です。

結局は、近所の食堂やら、お好み焼きやら、中華のおばちゃんとこやら、いつも

一人で行ってはツケでご飯食べてる所ですけど、ママと二人で行けることが、嬉しくて

というより、ママと二人でいる時間が、ほとんどないので舞い上がっています。

お店へ入って、ご飯食べて、お店のおじちゃんやらおばちゃんからリクエストが

あったら、たいてい一曲歌を披露して、帰ります。(演歌かシャンソン)

ママがお店の人達と同じように、ワタシの歌う歌を喜んで聞いてくれているか

気になりながら、ママの方ばかり見て歌いました。

ママはお店の公衆電話で、誰かに電話をしてたり、新聞を読んだり、全く無視です。

「ベー子、ママな今から、お友達とコーヒー飲みに行くから、先に帰ってて」

若くて、綺麗なママは、ずっと独身気分です。



 
 ママと食べたスブタの中に入ってるパイナップルを

あんた、これ好きやろといってご飯の上にのせてくれるんですが、

「ウチ、パイナップルが大好きやねん、ママ知ってたん」

「。。。。」考え事をしているのか無言です。

この歳になっても、パイナップルとメロンの上にのってる生ハムごと、口に入れることが

出来ません。甘いパイナップルとご飯が口の中でケンカしないわけがないでしょう。

 少し、認知症がある母を介護していたころに、パイナップルとメロンの話をしたら

「あんたは、西瓜が大好きやったけど、パイナップルとメロンは嫌いやったな」



 ママの妹から聞いた話を思い出して、台所で一人泣きました。

「ママな、子供の頃から、お刺身のちあいの所ばっかり食べさせられてん、嫌いやのに

 ママだけ、おかあちゃんにイジメられてな、べーちゃんママのことわかってあげてな」

高校生になって、始めて聞かされた、母の子供の頃の話です。

本当の母親から虐待されて大きくなったママは、時分の意志に逆らって、自分がされた

ことと同じことをしてしまう。今の言葉でいうたら、トラウマということでしょうか?

どうしても、子供のころにされたことを、自分の子供にもしてしまう、そしてその後で

自暴自棄になって、誰にも言えずに一人でどうやって気持ちを立て直してたのでしょうか

度重なる、自殺未遂に、娘のワタシは、そして、別れた父もその度にやってくる。

 封印して、記憶を真っ白にして生きてきましたが、ワタシは小さい時のワタシに、

語りかけて一緒に泣いてあげることで、二人で一緒にママのことわかってあげようなと、

いつも約束してブログの記事を書きあげます。


 「そんな歌、誰に教えてもろたん、けったいな歌やな、ママ嫌いやわ」

 「ごめん、ママ、シャンソンが好きやもんな」

 「もう、歩きながら歌わんといて、恥ずかしいから」


  森とんかつ

  泉にんにく

  囲ンニャク(かコンニャク)

  まれ天丼(天ぷらや天カスでもよかった)

  静かニンジン

  眠ルンペン(なぜか、ここだけ食べ物じゃない)

  ブルー ブルーシャトー

 
 大人になるまで、口づさむことは二度とありませんでした。

 でも、今夜も思いっきり頭の中で巡ってます、ママごめんな。