「岸壁の母」。。。二葉百合子先生。この方浪曲師でして、最近大ヒットした

焼酎のCMソング「また君に恋してる」を歌った坂本冬美が師事した先生です。

 歌謡曲の間に浪曲調のセリフが入る独特な歌を始めて歌った歌手ではないでしょうか。

しかも、大ヒットしたようです。

 「岸壁の母」はほとんどの演歌歌手がカバーしています。


 さて、ついこの間、車の中でゴソゴソしてると思ったらツレがこの曲をかけて

「あんたの好きなよしみちゃんのにしたよ」

「えーよしみちゃんの全部持ってるやんか、ワタシ」

「岸壁の母」が入ってなかったから新しく買いました。

「オレ、母モノの歌が好きやから」

「それだけで、後の曲ほとんど、ワタシがもってるのとかぶってるやん」

 
 この人なんでも真似しぃーでワタシがよしみちゃんのCD持ってるから自分も欲し

 かったんだと思います。(よしみちゃんて天童よしみちゃんのことです)

 歌うことが大好きなワタシの原点は。。。




  おかあちゃんは小さい時から三味線や長唄、踊りを習っていて芸事が好き、

 歌が好き、でも、本当は日本の歌ではなくてシャンソンが大好きなんですけど、

 なぜか、ワタシには小さい時から演歌の中でも股旅モノを歌わせていたんです。

 3歳の時に始めて町内のお祭りで歌ってからは、毎回何かがあると借り出されては

 天才美空ひばりの再来と言われてきました。

 教えてもらってないのに、最初からコブシがまわってたんで、おもしろがってレコード

 を買ってきては覚えさせて、お店のおねえちゃん(ウエイトレス)達と喜んでいました。

  小さい時から、商店街で遊んでいて、パチンコ屋とか遊技場とかストリップ劇場なんか

 ありましたから、そこから流れてくる曲をマネして歌ってました。


 とにかく商店街のお祭りは今と違ってものすごい賑わいで、盆踊りもちろん、喉自慢

もちろん、手品のおじちゃんやお化け屋敷や露天商が商店街と小さな子供公園にぎっしり

集まって、3昼夜続く一大イベント、その会長をやっていたのが資生堂のおじちゃん、

副会長がおかあちゃんだったんです。お祭りと言えばやっぱりシャンソンやなくて演歌

です。おじちゃんはどこでどう調達してきたのか、木枯らし紋次郎のような縞のカッパや

玩具の刀なんかを用意して、おかあちゃん、どっちか言うたらべっぴんやのに、その衣装

つけて、振り付け全部考えて、歌うは前歯が抜けたBー子、司会はおじちゃん、踊りは

おかあちゃん。B-子は子供神輿を担いで回って、遊びほうけて口の回りはリンゴ飴で

ベトベト、「この子、舌もまっ赤かや、口紅つけんでええわ。」

 ワタシ、小さい時からするめ食べても、屋台のお好み食べても、安いキャンディー

食べても、怒られなかったと言うか、買うておいでと言われる環境に育ってるんで

胃腸が頑強に出来てるんです。余談ですけど。



 お祭りの間中、おとうちゃんやら、親戚全員から外へ出られへんと怒りの電話。

新聞やら、ローカルのテレビのニュースに出るのが耐えられへん。

「何を上品ぶってんのか、ママにはわからんわ、あの連中」

「ほんまやなぁ」と歯抜けのB-子

「子供は口出さんとき」

なぜかおかあちゃんの味方をするも、いつも否定されるワタシ。

それでも、お祭りは大好きなおかあちゃんと同じ演目で舞台に立って皆から拍手喝采を

受けることが、いつもみそっかすなB-子の、本当の晴れ舞台だったんです。

 子供の頃には歌詞の意味など全くわからずに歌ってました、ちょっと大きくなると

旨いと言われるけど、恥ずかしくて全く歌わなくなったんです。若い人が歌うポップス

を歌うようになりました。こぶしを押さえて。。。

 社会に出てカラオケブーム到来、上司の前で歌った演歌が受けて何かと引っ張り

だこで、その頃、始めて本社のお偉いさんからのリクエストで歌ったのが「岸壁の母」

聞いたことはあっても、スクリーンを見ながら歌ったのですが、全員が泣いてしましま

した。酔ってはいても、皆それぞれ母を思い出したのでしょうか?



 「オレ、母モノが好き」というツレの十八番は「みかんの花咲く丘」です。

3番を歌うとき、涙声です。

 
   何時か来た丘 母さんと
     
   一緒に眺めた あの島よ
     
   今日もひとりで 見ていると
     
   やさしい母さん 思われる


 母子家庭で育ったツレはコテコテのマザコンです。

 イントロはハーモニカをポケットから出して、自前で吹きます。

 酔っ払ってますから、芝居がかっています。

 でも、聞いた野郎達もなんだか、しんみりと母を思い出すようです。

 

Youtubu

 よしみちゃんの勘太郎月夜が最初の曲ですが、4番目に「岸壁の母」が入っています。

始めて聞く人もいらっしゃるんではないでしょうか?「九段の母」の次です。

今夜、演歌が嫌い、苦手な方にはおもしろくない記事だったでしょうね。

 ただ、小さい時にピアノやバイオリンを習ったり、音楽教室に通ったりして

音感教育をされた方が、大人になっても、音を楽しむ生活をされているかしら?

 お陰でワタシはありとあらゆるジャンルの音楽が好きなおばさんになりました。

大人の歯がなかなか生えてこなくて、「歯抜けババア」と呼ばれてました。

もちろん、おかあちゃんにですけど。

 あの有名なイギリスのタレントスカウト番組にこんな6歳の女の子が出演

していました。前の歯がなくても、オーディエンスを感動させていましたよ。



YouTubu
 
 ワタシがもし母親なら、6歳の娘には「大利根月夜」じゃなくて「虹を越えて」

を歌わせます。絶対です。

 お口直しの「Over the rainbow」をどうぞ、コニーちゃんのアベ・マリアも

いいですよ、では、今夜はこの辺で。