ブログのお仲間の中に風邪をひいた方がもういらっしゃいます。
子供の頃は扁桃腺が弱く、ちょっと風邪をひきかけたら高い熱が出てフーフー
いってる子でした。でも扁桃腺を切った子が回りに何人かいたにも関わらず
今も大事に持っています。大人になって嘘のように風邪ひかない人になりました。
風邪ひかないって自慢したくないあの言葉がありますね。「…風邪ひかない」
今日から11月、いい季節になりましたねっていってた矢先、もう今年が2ヶ月と
なってしましました。
幸田文の随筆の中に
「もともと季節なんてものは、おみこしのようにおお騒ぎに担がれてくるもんではなく
まあ!というようにもう来ていて、おや?というように行ってしまってるんです」
ほんとそのとおり、ワタシ達も季節に気がつかずに忙し拍子に毎日をやり過ごし、季節
ごとのほんの小さな行事もお寺や幼稚園の前を通って「ああもうこんな時期に」ってな
調子です。お寺さんからの葉書に在宅の返事も出さずに秋を流してしまいそうです。
残り少ない秋だから、ちょっとススキだのなんだの見に行きましょう。
お昼の用意もしてなかったし、じゃあお昼ご飯食べに出るので、ちょっと出ましょう。
途中で、この間、干し柿用の柿を買ったところへ寄ると「新そばあります」の看板
新しく出来たばかりで清潔だけど、入り口で食券販売機が、立ち食い蕎麦みたいな
そんな感じよ。お昼をとっくに回っているので、お腹はグーグーガンモ状態です。
厨房の中には以前は外食産業に勤めてました。うーん残念それらしい4人ではありません。
自給700円のパートの主婦が4人がかりで私達の限定10食の「新そば定食」を
作ってくれました。不安な気持で、チラチラのぞくと、その中でも若い主婦が
なんと山葵を擦っているではありませんか。一人は天ぷらを揚げています。
一人は蕎麦を茹でて、もう一人は氷水をはって待っています。
ちゃんと開店前に一通りのことは習ってるようです。
さあ、おまっとうさん。
ツユは市販のツユを薄めたもの、あの擦ってた山葵は?次のお客のためのもの?
色も変わってこげ茶色、よって香りも無ければ、当然山葵のお仕事してません。
もう,二人は目配せして黙って食べるしかありません。ワタシはともかくツレは
いつも行く小料理屋さんのママが10割蕎麦を打ってすぐに出してくれるものを
食べているので、完全にノックアウトされたようです、案の定半分以上残してます。
ワタシは完食です。どんな環境であろうと、出されたものは皆完食します。
残したものも、たいていはワタシ食べるんですが、さすがのワタシも無理でした。
だってお汁がもうお茶よりも薄くなってどないしたって食べられません。
でも、椎茸の2センチに切ったのと茄子の2センチと葉っぱの揚げたのとで
定食600円ですから、しょうがないんですけど。
たぶんこんな風じゃあ、長く営業してはいかれないと素人のワタシでもわかります。
半分は町営のような感じの店舗ですが、だからこそ「美味しいものを食べてもらう」
という食堂の本来の目的を出せるはす。利益だけではなく地域の発展も考慮に入って
いるはずです。なのに平日のお昼、4人もパートの主婦が、人件費も無駄です。
手持ちブタさで厨房で話をしています。その誰一人あのお汁が不味いと思ってない
んでしょうか?言われたとおりのことをして何時間がいたらお給料がもらえる、そんな
時間稼ぎの仕事です。ワタシは物心ついた時にはもう厨房の中にいましたから、こんな
お店に出会うと悲しくなってきます。サービスが好きです。喜んでもらうことが好き
です。美味しいと言ってもらえたら、どんなにシンドクテモ疲れなんて吹っ飛びます。
40歳の主婦が始めてコーヒーを自分でタテテ、お客様に提供する。
「おかあちゃんはコーヒーの味には自信なんてないねん、教えられたとおりにやって
るけど まだまだやと思う。せやからここらで一番早くから開いて、一番遅うまで
開いてる店やと 知ってもらうことしかできひん、どんなことがあっても休まへん」
これって、あの「もう、開いてる、まだ、開いてる」のマックと同じ文句や。
おかあちゃんの負けん気もあるけど、その後、小さいけどいつも清潔でおばちゃん達
の笑顔が迎えてくれるビジネス旅館や美味しいおかずが出てくる小料理屋、ピアノの
伴奏で好きな歌が歌えるミニくらぶと流行るお店をつぎつぎに開店していった、細い
小さな女実業家。ほったらかしやったワタシですが、大事なことを教えてもらったよ
うに思います。
人に喜んでもらえるようなこと、そのことが自分の喜びと思えたらお金は付いて
来る。お金はな汚く稼いで、綺麗に使えというけど、それ間違いや汚いお金なんて
ない、真心で稼いだお金は気持ように使わせてもらいます。随分使ったと思います
が、一人で朝から晩までよう働いた人生でした。
『子孫に美田残さず』主義でしたので。使って、使って使い倒して、糠味噌の樽と
ダイヤの指輪を残してくれました。
そのダイヤの指輪をはめて毎朝、毎晩、糠味噌混ぜてます。
糠味噌の中の発酵菌が生きてるように、おかあちゃんも生きてワタシを樽の中から
見ています。「あんた、人が喜ぶことしなあかんよ」
なんや、またおかあちゃんの話やんか
でわ、この辺で。
子供の頃は扁桃腺が弱く、ちょっと風邪をひきかけたら高い熱が出てフーフー
いってる子でした。でも扁桃腺を切った子が回りに何人かいたにも関わらず
今も大事に持っています。大人になって嘘のように風邪ひかない人になりました。
風邪ひかないって自慢したくないあの言葉がありますね。「…風邪ひかない」
今日から11月、いい季節になりましたねっていってた矢先、もう今年が2ヶ月と
なってしましました。
幸田文の随筆の中に
「もともと季節なんてものは、おみこしのようにおお騒ぎに担がれてくるもんではなく
まあ!というようにもう来ていて、おや?というように行ってしまってるんです」
ほんとそのとおり、ワタシ達も季節に気がつかずに忙し拍子に毎日をやり過ごし、季節
ごとのほんの小さな行事もお寺や幼稚園の前を通って「ああもうこんな時期に」ってな
調子です。お寺さんからの葉書に在宅の返事も出さずに秋を流してしまいそうです。
残り少ない秋だから、ちょっとススキだのなんだの見に行きましょう。
お昼の用意もしてなかったし、じゃあお昼ご飯食べに出るので、ちょっと出ましょう。
途中で、この間、干し柿用の柿を買ったところへ寄ると「新そばあります」の看板
新しく出来たばかりで清潔だけど、入り口で食券販売機が、立ち食い蕎麦みたいな
そんな感じよ。お昼をとっくに回っているので、お腹はグーグーガンモ状態です。
厨房の中には以前は外食産業に勤めてました。うーん残念それらしい4人ではありません。
自給700円のパートの主婦が4人がかりで私達の限定10食の「新そば定食」を
作ってくれました。不安な気持で、チラチラのぞくと、その中でも若い主婦が
なんと山葵を擦っているではありませんか。一人は天ぷらを揚げています。
一人は蕎麦を茹でて、もう一人は氷水をはって待っています。
ちゃんと開店前に一通りのことは習ってるようです。
さあ、おまっとうさん。
ツユは市販のツユを薄めたもの、あの擦ってた山葵は?次のお客のためのもの?
色も変わってこげ茶色、よって香りも無ければ、当然山葵のお仕事してません。
もう,二人は目配せして黙って食べるしかありません。ワタシはともかくツレは
いつも行く小料理屋さんのママが10割蕎麦を打ってすぐに出してくれるものを
食べているので、完全にノックアウトされたようです、案の定半分以上残してます。
ワタシは完食です。どんな環境であろうと、出されたものは皆完食します。
残したものも、たいていはワタシ食べるんですが、さすがのワタシも無理でした。
だってお汁がもうお茶よりも薄くなってどないしたって食べられません。
でも、椎茸の2センチに切ったのと茄子の2センチと葉っぱの揚げたのとで
定食600円ですから、しょうがないんですけど。
たぶんこんな風じゃあ、長く営業してはいかれないと素人のワタシでもわかります。
半分は町営のような感じの店舗ですが、だからこそ「美味しいものを食べてもらう」
という食堂の本来の目的を出せるはす。利益だけではなく地域の発展も考慮に入って
いるはずです。なのに平日のお昼、4人もパートの主婦が、人件費も無駄です。
手持ちブタさで厨房で話をしています。その誰一人あのお汁が不味いと思ってない
んでしょうか?言われたとおりのことをして何時間がいたらお給料がもらえる、そんな
時間稼ぎの仕事です。ワタシは物心ついた時にはもう厨房の中にいましたから、こんな
お店に出会うと悲しくなってきます。サービスが好きです。喜んでもらうことが好き
です。美味しいと言ってもらえたら、どんなにシンドクテモ疲れなんて吹っ飛びます。
40歳の主婦が始めてコーヒーを自分でタテテ、お客様に提供する。
「おかあちゃんはコーヒーの味には自信なんてないねん、教えられたとおりにやって
るけど まだまだやと思う。せやからここらで一番早くから開いて、一番遅うまで
開いてる店やと 知ってもらうことしかできひん、どんなことがあっても休まへん」
これって、あの「もう、開いてる、まだ、開いてる」のマックと同じ文句や。
おかあちゃんの負けん気もあるけど、その後、小さいけどいつも清潔でおばちゃん達
の笑顔が迎えてくれるビジネス旅館や美味しいおかずが出てくる小料理屋、ピアノの
伴奏で好きな歌が歌えるミニくらぶと流行るお店をつぎつぎに開店していった、細い
小さな女実業家。ほったらかしやったワタシですが、大事なことを教えてもらったよ
うに思います。
人に喜んでもらえるようなこと、そのことが自分の喜びと思えたらお金は付いて
来る。お金はな汚く稼いで、綺麗に使えというけど、それ間違いや汚いお金なんて
ない、真心で稼いだお金は気持ように使わせてもらいます。随分使ったと思います
が、一人で朝から晩までよう働いた人生でした。
『子孫に美田残さず』主義でしたので。使って、使って使い倒して、糠味噌の樽と
ダイヤの指輪を残してくれました。
そのダイヤの指輪をはめて毎朝、毎晩、糠味噌混ぜてます。
糠味噌の中の発酵菌が生きてるように、おかあちゃんも生きてワタシを樽の中から
見ています。「あんた、人が喜ぶことしなあかんよ」
なんや、またおかあちゃんの話やんか
でわ、この辺で。