危うく水浸しを免れた、雨漏り事件。


 打って変わって今日の朝の気持ちのいいこと


 少しづつお日さんが出てきて…、庭に木漏れ日がさして…


 「人間がこんなに気持ちがええんやから、裏の連中も嬉しいよね」


 「あんた、ええこと言うねえ」


 裏の連中って裏庭の花やら木やら草やらのこと。


 気持ちのいいのは午前中だけ、昼からは地獄。


 「地獄の釜の蓋が開く」お盆がきます。


 その蓋が開いた日、ワタシ生まれました。


 

 

「そらもう、目が開いたら真っ白や、お医者さんの服で周り真っ白


 4昼夜がんばってようやく生まれたんよ、学生のお医者さんが

 
 ぎょうさん見学に来てはってな、珍しい難産や言うて」


「いやや、恥ずかしい」


「恥ずかしいのわ、わたし、あんた4キロの禿げちゃびん、見てみその写真」


「うん」


 どう高下駄はいても、ここだけの秘密にしとってと言わざるおえないような


 顔面パンチ、おばけのQ太郎、それ褒めすぎ、OK牧場です。


「まあ、そんなんでもおとうちゃんあんたが可愛いて、可愛いて、


 見せ歩いてな、親ばかやずーとおんぶしててんで」


「えーおとうちゃんが?」   嬉しさが隠せないワタシ


「おかあちゃん、立ってられへんかったから」


「なんで、病気やったん?」


「違う、あそこが切れてん」


「あそこって?」


「お姫様や」


「なんで、お姫様が切れるん?」


「あそこから、無理やりあんたが生まれたんや」


「… 」 思わずスカートの上からあそこを押さえるワタシ。


もう、おわかりですね。


ワタシ5歳にして赤ちゃんの出生を知っていました。


せめて、小学低学年くらいまでは「こうのとり伝説」を信じていたかった。





「あほやなー、資生堂のおじちゃんがサンタさん、町内全部プレゼント配って



 くれてはんのや、暇やから」



 確かに商店街のお化粧品店のおじちゃんは子供もいないし、おばちゃんがお店



 やってるし、暇やけど、あの人がサンタさんやったんかあ




 「おかあちゃん、そやけど、おじちゃん日本人やで」



      まだまだこれから本格的な灼熱がやってきます、お体に気をつけて

    
      純粋無垢なベータンの活躍を乞うご期待。