息子が学校を休むっていうことは、ほとんどありませんでした。

 

共働きの我が家。

夫は単身赴任。

 

小学校のころは学校へ行き、学童へ行き、毎日楽しそうにしていました。

 

中学校に入り、まずぶつかったのが部活の問題。

小さいころから習い事はスイミング程度。

運動が嫌いでゲームが好きな息子に習い事をさせようにも、あれもこれも嫌だと。

 

今思うと、物心つく前に強制的にやらせればよかったのかも。

 

そう思っても時すでに遅しでした。

 

ゲームばかりしている息子に「中学校の部活では運動部に入らないとゲーム禁止だよ!」と、ずっと言い聞かせていました。

運動部に入って体を鍛え、スポーツの楽しさや厳しさ、仲間の大切さを学んでほしいという思いからでした。

 

仮入部期間。

そっと見守ってみるものの、一向に部活を見学する様子もなく。

本入部の締め切りになってから決めたのが、まさかのバスケ部でした。

 

バスケ部・・・???

 

バスケなんてやったことありません、もちろん。学校の体育くらい。

それでも興味を持ったならと思い、そのまま入部させました。

 

案の定・・・

 

ついていけない・・・

 

最初のころは頑張っていました。

「見てみて!ドリブルこうやるんだよ!」

「筋肉ついてきたよ!」

いやいやながらも部活に行って帰ってきては、そんなことを話してくれる日もありました。

 

ところが・・・

 

コロナで学校がオンラインになり、オンラインが解除されたころ、突然学校に行きたがらなくなったのです。

 

理由を聞くと、

「部活に行くのがいやだ。下手なのを馬鹿にされる。いじわるな奴がいる。」

 

最初は、

「嫌なやつなんてどこにでもいるよ!たくさん練習して上手になって見返してやれ!」とか

「苦しいことから逃げてちゃだめ!苦しいことを乗り越えたら、その分自分の力になるんだからね!」などなど。。

 

正論に正論を重ねて、何とか諭そうと必死でした。

 

挙句の果てに、その「いじわるな生徒」の親に直接連絡をして、「子供同士で話し合いをさせたい」と連絡してしまいました。

 

その子のいじめがなくなれば、きっとまた部活に行ってくれる・・・そう信じて。

 

(のちに、この私の『直接相手の親に連絡する』ということが間違っていたと気づかされました。お恥ずかしい。)

 

相手のお母さまはちょっと変わった方で「もう中学生なんだから子供同士話し合いをさせては?直接連絡するくらいなら、何があったか先にまず教えてくれません?」と、まったく取り合ってもらえませんでした。

 

当時の私はとにかく必死で、息子がいじめにあっている!なんとかせねば!その気持ちでいっぱいいっぱいで、

「もういいです、学校に相談します」と啖呵を切ってしまいました。

(本当は学校に先に相談するのが筋だったんですけどね)

 

学校の先生と話し合い、学校で当人同士の話し合いも行われ、和解。

 

やれやれこれで一安心。

さぁ、学業にスポーツに頑張りたまえ!息子よ!

 

と、私は肩の荷が下りた気でいました。

 

ところが。

 

 

夏休みに入っても、まったく部活に行く様子がない。

今日は気持ち悪いから、今日だけ休みたい、今日は頭が痛いから。

あれこれ毎朝理由をつけ、そのたびに「逃げるな!逃げたら負けだ!」と諭し、ゲームを人質にとり。

 

そんな毎日を繰り返し、とうとう息子の口から「部活をやめたい」と出てきたのです。

 

ここは怒っちゃいけない!

 

そう心に決め、息子の話を聞きました。

 

とにかく練習についていけない。

へたくそだから誰も一緒に練習してくれない。

暑くて倒れそう。

気持ち悪くなる。

 

彼の言い分はこうでした。

 

それに対して私は、

 

そうだよね、暑くて大変だよね。

みんな小学校からやってるからやりづらいよね。

気持ち悪いのはしんどいよね。

 

本で読んだように寄り添おうと必死でした。

多分、顔が引きつってて相当気持ち悪かったと思います。

 

内心では、

 

へたくそだったらゲームばっかりしてないで練習しろや!

根性はないのか!

暑いのなんてみんな一緒だ!

ゲームばっかりやってるから体力ないんじゃボケ!

 

そう思っていたので・・・

 

でも、そんなことは散々言ってきたんです。

だからもう、これはアプローチの仕方を変えるしかないんだと思いました。

 

そんなにいやだったらね、やめてもいいよ?

 

そう言ってみました。

 

私の予想は、

 

ううん!頑張る!お母さん、話聞いてくれてありがとう!

 

そう明るく返ってくる返事でした。

 

しかし・・・

 

 

あ、そう?じゃぁやめるわ。その代わり勉強頑張るね!

 

 

え、え、えええーーーーー。。。

 

落胆。落胆しか、ありません。

まだ一度も袖を通してないユニフォーム。

買ったばかりのバッシュ。

計、3万円弱・・・

 

いやお金のことより、

せっかくできるようになってきたドリブル、少し割れてきた腹筋。

そういうものを捨てていいのか?!

将来モテないぞ!!

 

そんなことまで頭をよぎり。

 

それでも、息子が「代わりに勉強頑張る」と言っているのです。

それだけでも良しとしようと、納得しました。

部活を途中でやめたらそれだけでも内申点が下がる。

内申点が下がったら、私立の確約が・・・

そんな話をずっと息子にしていたからでしょうね。

 

まあ、勉強頑張るならいいか。

 

そんな気持ちで、悔しいとか心配な気持ちは捨てて、息子の意思を尊重したのでした。

 

 

 

ですが、これはきっと、ほんのきっかけに過ぎなかったのです。

 

 

 

ここから、息子の「不登校」への道が始まりました。

 

 

何がいけなかったのかわかりません。

きっと何もかも間違っていたのでしょう。

 

無理やり運動部に入れたことも、本人のしたいことを一緒に考えられなかったことも。

 

親として失格。

 

そんな気持ちでいっぱいいっぱいでした。

 

 

余談ですが、その部活でいじわるをしてきた子のお母さまからは、私も嫌がらせを受けました。

大人なのでさらっと交わしましたが、それでも心にグサッとくるものもありました。

大人ですら傷つくのです。

交わせても、傷ついたのです。

 

子供はもっとしんどかったのでしょうね。

 

そんなことすら、わかってあげられない毎日でした。

 

 

今思えば、学校に行ってただけよかったんですけどね。

 

さて、この続きは次回また書きたいと思います。