「暇すぎて疲れました」
昨日、ある生徒さんがこう言った。
「先生、最近やることがなくてつまらないです。ずっとドラマや映画ばかり見ていて、目も疲れるし頭も痛いんです」
その瞬間、私は心の中で思った。
…え、ちょっと羨ましいかもって。
その生徒さんは私と同い年の女性。
日本人の旦那さんと日本で暮らしていて、生活にはかなり余裕がありそう。
いわゆる“セレブ寄り”の暮らし。
時間もある。
お金もある。
だから日本語のレッスンも「時間つぶし」のように始めた。
最初はとてもやる気があって、一生懸命だった。
でもだんだんとモチベーションが下がり、最近ではほとんど会話も受け身。
私が話すのを待っている感じ。
正直に思ってしまった。
「もっと頑張れば、すごく伸びるのになあ」って。
でも同時に、こうも思った。
「人生って本当に人それぞれだな」って。
私はこれまで、ずっと忙しく生きてきた。
やることがありすぎて、「時間が足りない」と思い続けてきた人生。
そういえば、“暇すぎて困る”なんて、ほとんど経験したことがない。
学生の頃、少しだけあったかもしれない。
でもあの時はお金がなくて、結局何もできなかった。
それ以降はずっと働いて、動いて、走り続けてきた。
結婚も出産も経験していない私は、ふと思うことがある。
もし違う人生を選んでいたら、もっと「休む時間」や「余白」があったのかなって。
誰かと支え合って、少しペースを落として働いたり。
子育てに集中する時間があったり。
それってきっと大変だけど、でも少し羨ましく感じる瞬間もある。
でもね、昨日ははっきり思った。
時間もお金もあっても、
「やりたいこと」がなければ、人は満たされないんだって。
逆に、忙しくても、やることがあって、前に進んでいる実感があれば、満たされる。
結局のところ、
今の自分に満足できるかどうか。
これがすべてなんじゃないかなと思う。
どんな人生を選んでも、幸せな人は幸せ。
でも、不満を抱えたままだと、どの道を選んでも同じ。
だから私は思った。
比べても仕方ない。
ないものを見るより、今あるものを見る。
そして、自分の人生を「これでよかった」と思えるように生きたい。
…とはいえ、正直ちょっとだけ思う。
もし今、まとまった時間があったら。
新しい言語を勉強したり、
一人でふらっと旅に出たり、
温泉でぼーっとしたり。
きっと私は、じっとしていられないタイプなんだろうな。
だからこそ思う。
私には「暇」は向いてない。
でも、「余白」は少し必要かもしれない。