今、我が家を建築中のエステート、あと数年でデベロッパーが管理から手を引き、その後は管理会社の選定などは住民に託されることになるため、そうなる前にm住民団体を設立して、その日に備えようという動きが出てきている。

それで、こないだ初めての住民ミーティングにも顔を出してきたけど、マレーシアとはいえ、ローカルもいれば、イギリス人、スコットランド人、オージー、アメリカ人など、実に色んな国籍がいて国際的。

でも、それだけ多様な顔ぶれだと、やっぱり全然話がまとまらない。(笑)

まあ、それでも、数時間に及ぶ話し合いの結果、まずは第一段階として、弁護士も入れてきちんとした住民団体の定款を作ろうというのが着地点になって、そのドラフトがメールで皆に回った。

すると「待ってました!」とばかりに、いきなり打ち合わせには来ていなかったどこかのオバチャンから鼻息荒いメールが飛んできた。

「定款を作るっていうなら、是非入れてもらいことがあるわ!一部のオーナーが、自分の家をAirbnbで貸してるけど、あれ、もうウンザリだからやめてほしいのよ!ムキー

Airbnbといえば、自分の家や部屋をネットを介して又貸しできるバケーションレンタルサービスで最近は日本でも人気だ。

「うちの隣家、オーナーがいつも又貸ししてて、しょっちゅう誰かが泊まりに来てはパーティーして酔っ払ってドンチャン騒ぎ、小さい子どもたちが大声で走り回るし、たまんないのよ!うちには、Oレベルの試験を控えた子どもたちがいて毎日勉強があるし、私も家で仕事してるっていうのに、本当に非常識極まりないわ!オーナーは、そうやって又貸しして金儲けしてるんでしょうけど、その影でうちは大迷惑してるのよ!

よっぽどAirbnbと隣人への普段の恨みが募っているのか、誰も聞いてないのに、感極まってメールで住民に大爆発。

「定款?けっこうだわ、面白いじゃない。それなら、是非又貸しについて規則を作って頂こうじゃない。Airbnbで儲けようという非常識なオーナーとそれを利用するやかましい連中にこのエステートを滅茶苦茶にされるか、断固としてエステートの調和を保つか、その選択はあなたたち次第よ!」

という具合にものすごい挑戦的で高飛車な態度。

なんなのアンタ?喧嘩売ってるの、、、?

そのメールを読んで、その隣家の家主であるオージー女性が業を煮やして抗議のメールをした。隣家って言っても、用水路と広ーい原っぱを挟んだ反対側の家で、距離にして200-300メートルはあって、だいぶ離れている。

「あなた、もしかしてウチにクレームしてる?だとしたらお角違いよ。私の家は4月から空き家なの。空き家って読める?あ き や。誰も住んでないの。だいたい又貸ししてるっていう証拠はあるの?あなたのその皮肉っぽい口調には常々ウンザリだし、コミュニティーに毒を盛るのはやめなさい!言いたいことがあるなら、もっと建設的でポジティブな言い方でアプローチするべきだわ。騒音に文句があるなら、直談判すればいいことで、住民全員にこんなメールするのはやめなさい!」

と、ごもっともな反論だけど、このメール、オバチャンに対して個人的に送ってるのに、何を血迷ったのか、彼女、住民全員に返信して復讐に出た!

「あ~ら、別にあなたへ名指しでクレームしたわけじゃないのに反応しちゃって、どうしたのかしら。良心の呵責ってやつかしらね、フフフ。そうよね、確かに4月からあなたの家は空き家。でも、それまではいつもうるさかったわよね、あなたの家も。それに、あなたの家の隣が又貸ししてるのは知ってるのよ。誰がいつ出入りして、掃除スタッフがいつ来てるかも、全部知ってるの。なんなら証拠写真を送ってもよくてよ?

わかるわよ、ちょっと週末に家を又貸ししてお金儲けしたいのは。でもね、そのせいで眠れないあたしたちの気持ちがわかる?

悪いけど、断固として反対させてもらうわよ。

な、なんだ、このオバチャン!?大丈夫ーー?

それに、その嫌味ったらしい気取った語調は何?

Airbnbで家を又貸しするのは、はっきり言って家主の勝手だと思うし、長期の借り手がつかないから苦肉の策でやっているのかもしれない。それを又貸しするな、と言われる筋合いはないと思う。

でも、確かに、住民でもない連中がやって来てドンチャン騒ぎするのが迷惑なのもわかるし、Airbnbがそういう理由から各方面から非難を浴びているのも事実。

それにしても、メールでこんなふうにぶち切れて住民に毒を撒いて、何やってるんでしょ?

オージー女性の言うとおり、文句があるなら直談判か、ミーティングに堂々と来て提案すればいいことだ。

早速、友達に聞くと、巷では「DQNな人」ということで有名らしい。最近も、ある住民開催のイベントで自分の子どもたちが仲間はずれにされたと思い込んで、何の罪もない主催者に対して(これまた住民全員に向けたメールで)「よくもうちの子たちを仲間はずれにしてくれたわね、Fxxk you!'」と罵倒した前科があるっていうから怖い。

このメール戦争、ついにオバチャンの旦那も「眠れない夜を過ごしたことのないお前らに何がわかるんだ」って激昂して出てくるし、オバチャンのメールも「この住民団体と定款の話が持ち上がったときから、名探偵ポアロさながら、私の灰色の小さな脳細胞が活動を始めたのよ」とか、意味不明なことを言い出してヤバさがエスカレートする一方。(何、そのポアロだの脳細胞だの?と思った方は、ググってみてください。私も何のことかさっぱりわかりませんでした。)

隣人たちは、そのうち、用水路の向こう岸のこのクレイジーな家から火炎瓶やバズーカ砲が飛んでくるんじゃないかとビクビクしてるに違いない。(笑)

なんのこっちゃわからない私らには本当に迷惑。

どうせなら、このヤバイ人たちを何とかする条項でも定款にいれたらどうかしら?なんてね!