仕事で東南アジアの某国にある商品を輸出したのだけど、やられた。
輸入先の会社が突然、抜き打ち検査をされてコンテナの内容が送り状と違うから10,000ドルの罰金を払わないといけない、すぐに払わないと保管料を取られるから、とにかく払ってくれ、というのだ!
これを聞いて、私はすぐきな臭いと思った。
マレーシアで商売をしている友達が、通関業者にイジメられ賄賂を払う破目になったという話を以前聞いたのを思い出した。
東南アジアでは通関でのイザコザや賄賂はよくあることで、まして汚職天国の某国で通関ともなれば、当然あることないことふっかけられて、とんでもない目に遭ってもおかしくない。
貨物の内容が違うからってそんなバカ高い罰金はあり得ないし、どう考えても難癖、言い掛かりに違いない。だから本当に間違っているのか、検査官と一緒にちゃんと貨物内容を調べて証拠写真を撮るように言った。
調べてみると、通関業者を名乗る会社の男が、罰金云々言い出し、さらに関税の支払いもは全部自分たちに任せろ、と言われ、輸入会社は素直に関税を数万ドル払ってしまった。
罰金の件ももちろん嘘で、架空の請求書を送ってきただけ。
その通関会社は存在しない架空の会社で、担当者の男も行方不明になり、突然連絡がつかなくなったらしい。
要は悪質な組織が企てた振り込め詐欺に見事に引っかかってしまったわけだが、このホイホイ関税を払ったという輸入会社も怪しいと私は思ってる。だって長年そこでビジネスしてる地場企業なのに、そんな簡単に騙されるとは思えない。
騙された、と嘘ついて、実はその偽通関業者とツルんで、会社のお金をどこかに振り込んで山分けしている可能性だってある。
疑心暗鬼。皆が皆を疑ってる。
警察に被害届は出したようだけど、警察の対応もまたすごい。
「捜査する金がない。金を払ってくれたら捜査するけど、金あるか?」
と聞かれたそうだ。
こんな汚職まみれの国だから、仮に警察が動いたところで事件はきっと迷宮入りだろうな~、、、だいたい捕まったところで、とっくにお金はどこかに消えてるだろうし、泣き寝入りするしかないだろう。
挙句の果てに、騙されて支払いした自分らが悪いのに、騙された通関料を払ってくれと言うし、あーだこーだと難癖をつけて私のせいにされる始末。
ヤレヤレ、、、
それにしても悪質だ。こんな犯罪に巻き込まれるとは夢にも思わなかった。唖然呆然。
真相は?犯人は?
ちょっとスリリングな展開になってきた。
こういう国との商売は、日本の常識など通用しないから、本当に注意しないといけない。まさにカントリーリスクってこういうことだわ。いい勉強になった。