私の職場はラッフルズプレイスだけど、何が嫌ってランチタイムがどこも激混みで、並ぶのは当たり前、席の確保に一苦労なところ。

今日は混んでる時間を避けて、人もまばらになってきたラオパサに遅めのランチに行った。

お腹が空いてたし急いでたので、席に着くなりさっさと食べ始めた私を見て、隣のテーブルに座っていたおじさんが

「珍しいね、みんな携帯電話ばっかり見てるのに、君は違うんだね」

と話しかけてきた。よっぽどガツガツ食べてるように見えたのかしら(笑)。

「あはは、食べるの忙しいんです。」

と思わず答えた。

アクセントからして、おじさんはアメリカン。シンガポールに来てイギリス人やオージーとはたくさん会うけど、なかなかアメリカンがいないので、ちょっと嬉し懐かしくなってしばらく話していると、彼の奥さんも焼きそばを持って現れて、3人で話が弾んだ。

奥さんは元々シンガポール人だけど、もう渡米して40年。家族に会いに旦那さんと2人で来たんだそうだ。お子さんたちももう30過ぎだっていうから、50代後半か60代かな。

いつもはラオパサで誰か相席になっても絶対話しかけることなんかないのに、 アメリカのことや、家族、仕事の話で盛り上がって、思わず30分も話し込んでしまった。

あ~、アメリカ人ってこういう気さくでフレンドリーなところがやっぱりいいな~!

と、アメリカがすごく恋しくなった。やっぱり私はいつかはアメリカに帰りたい。今はシンガポール/マレーシアのダブル生活も悪くないけれど、もう何年かしたら、家族でアメリカで落ち着きたい。そんな話もした。

「あなた、どこで暮らしても、子どもたちとは絶対に日本語で話してあげてね。美しい言葉なんだから。諦めないで、ずっと話してあげてね。」

とその奥さんに言われたのが心に残った。

そう。こちらに来てから、加速度的に英語を吸収したものの、日本語を忘れてゆく子どもたち。いちいち注意するより楽だから、とつい英語で話すことを許してしまっていた。

奥さんの言葉を思い出して、今日は息子に日本語でしっかり話してごらん、と促すと、辿々しいながらも、久しぶりに日本語が聞けた。嬉しかった。

そうだ。諦めないで、もっと日本語で話してあげなくちゃ。


今日は素敵なおふたりに出会えて、嬉しかったな。またいつかどこかで会えるだろうか。

こんな素敵な出会いが、いつもあるといいな。