私の住む住宅街、Facebookのグループページがある。

「中古品売ります」
「いいエアコンメンテナンスやガーデニングの業者さん知りませんか」
とか
「今日のイミグレーションの渋滞どうですか」
とか、

住民が気軽に情報交換している。

次々と新しい家が完成して住民も増え、コミュニティーが盛り上がっているが、人が増えればその分色々とトラブルも摩擦も起きる。


最近ある男性が

「黙っていようかと思ったけど、もう我慢できない。最近シルバーのアウディをXX通りで乗り回してる人、あんたスピード出しすぎです!住宅街であんなスピードは許されないですよ、気をつけてください!」

と投稿。

他の住民も

「非常識だね!マメジメントに言って注意してもらったら?」
「ナンバー控えたら?」

とお怒りのコメント、ブーイングが飛び交う。

しばらくすると、何と当の本人が登場。

「そのアウディに乗ってるのは私で、車のナンバーはXXX-XXXXだ。君たち、何もこういう場で私を悪者扱いしなくても他に解決方法があるんじゃないか?私だって小さな子どもの父親だ。安全には気を使ってるつもりだし、子どもたちを危険にさらすようなことは決してしない。」

と怒りながらも自白。

確かに、住宅街でスポーツカーを猛スピードで乗り回すのは危ないし、告発した人の気持ちもわかる。

でも、告発された人は名指しですらないものの、車種まで書かれていたのだから、今後は小説『緋文字』の主人公女性のごとく、車を走らせるたびに

「あ!あの非常識なアウディの男だ!」

と住民にレッテルを貼られてしまうわけで、ちょっとそれってどうかと思う。

投稿した男性は

「悪者として祭り上げるつもりじゃなかった、ただ安全を促したかっただけだ、正直に名乗り出てくれてありがとう」

と書き込んで、とりあえずこの件は収まったかと思いきや、、、、


今度は別の住民が

「そういえば、すんごいスピードで飛ばしてる赤いポルシェがいるよね!」と投稿。

これに皆が一気に反応した。

「あ、知ってる!あの赤のポルシェ、こないだ100キロぐらい出してたぞ!」
「あの家はカイエンも持ってて、カイエンも飛ばしてるぞ!」
「とんでもない奴だ。俺んちの通りに住んでるぞ」
「小さい子どももいる家なんだよ、それなのに安全っていう概念がないのかね?」

ついには誰かがナンバーの見える写真まで撮ってきて投稿する顛末。

あのー、それってプライバシーの侵害では、、、。あせる

「管理会社に早く言いましょうよ!何なら私が言いに行ってもいいわ。」

やっぱりこうやって名指しで発表するのが一番効き目があるよね

なんて恐ろしいこと言ってる人も、、、。

そのポルシェ一家はうちのご近所さんなので私も知ってる。まだ30代ぐらいの若い夫婦で、ポルシェ2台にもう一台ドイツ車と、日本車も持っている。毎朝暗いうちからメイドさんがポルシェをピカピカに洗車してる。しかもシンガポールナンバーである。家もゴージャスにレノベーションしているけど、どう見積もっても、家より車のコストが圧倒的に高いな、、、などと思い眺めていた。

こんなマレーシアの田舎の住宅街で真っ赤なポルシェなんて乗り回してたら、まあとにかく目立ってしょうがないのである。もし彼らが、プロトンやマイヴィーやホンダなどの、フツーの車に乗っていたなら、ここまで野次も飛ばなかっただろう。赤いポルシェだから、なんか腹が立つんじゃないかしら。

当の本人たちは、自分たちの知らないところでこんな風に写真を撮られたりして、ちょっとした有名人(?)になっているなんて夢にも思っていないだろう。それとも投稿を読んで冷や汗タラリだろうか。

それにしても、住民も大人気ない。本人の家も知っていて、写真まで撮るぐらいなら、なにもFacebookで吊るし上げなくっても、本人に直接言えばいいんじゃない?!

と思うのは私だけだろうか、、、。

いや~、恐ろしや!まさに村社会である。

どこで誰が見ているかわからないし,、知らないうちにFacebookで吊るし上げられるかもしれない田舎の住宅街。目立たないように、慎ましく静かに暮らすのが一番、と実感するのであります、はい。得意げ