その間、いろいろありましたが、最近はようやく2児を持つワーキングマザーライフにも慣れてきて、段取りがわかってきたからなのでしょうか、なんとなくパワーアップしたように感じます。体力が余っているというか。いや、それでも時間に追われる余裕の無い生活であることに変わりはないんですが。
せっかくパワーアップしていたのに、昨日は、「生きた心地がしない」とはこういうことか・・・という、まさに「戦慄」のエクスペリエンスがあり寿命が10年ぐら縮んだように思います。
昨日は、シッターさんのメアリーに子どもたちの保育園のお迎えをお願いしていました。いつも鍵を息子のリュックに入れて、それで家に入ってもらうので、私が帰宅するときはインターホンを鳴らしてドアを開けてもらいます。
ところが、昨夜は何度インターホンを鳴らしても返事がない。10回ぐらい鳴らして、さらにドアをドンドン叩いても、返事無し。耳にドアをあてて、中の様子を聞いてみても、静まりかえっています。普段なら子どもたちがはしゃいだり走り回ってる音がするのに。
まさか・・・
交通事故?それとも、強盗でも入って軟禁されてるの?
それとも、メアリーが変な気でも起こして蒸発した?
フィリピンに連れてっちゃった?
誘拐された?
ああああっ!どうしよう!愛する子どもたちが!
と、次から次へと悪い想像が頭の中をぐるぐる。オロオロ、マンションの廊下を徘徊する私。もう一度家の前に行ってベルを鳴らす。でも、やっぱり返事が無い。保育園に電話しても、もう帰ったと言う。夫に電話して「もしかして早く帰ってきて子どもたち散歩にでも連れていった?」と聞くと「ナニ?まだ会社だけど・・・え!子どもたちがいないって!?今すぐ帰る・・・!」とすぐに会社を飛び出した夫。彼が帰ってくるまでの間、また数回インターホンを鳴らしドアを必死で叩くけど返事無し。外に出て、家のリビングの窓を見ても電気が消えている。管理人さんも子どもたちを見ていないという。
警察に電話しなきゃ・・・と電話を持つも、手がブルブル震えてダイヤルもできない。
どうしよう・・・どうしよう・・・
もしあの子たちにもう逢えなかったら・・・そんなことになったら、死んでしまいたい!と
救いようのない焦燥感と恐怖感と戦慄に襲われて、マンションのロビーをで頭を抱えて震えていました。
行くところもないので、もう一度部屋に戻って、ベルを鳴らしてみるけど、相変わらず返事は無し。
藁にもすがる思いでドアをドンドンドンドン!と叩くと・・・
「Oh, hello, madam!」
と、娘を抱っこしてメアリーがドアを開けてくれた。
息子は
「ママ~、どうしたの?」ときょとんと見ている。
「い、いたの!?何回もベル鳴らしたのに??」と言うとメアリーは
「え?子どもたちと部屋で歌を歌って遊んでいたから全然聞こえなかったみたい!ごめんなさい!」と。
確かに・・・ウチってインターホンが聞こえないことがよくあるので・・・
安堵と喜びで、ヘナヘナと玄関に倒れこんでしまいました。
そこへ夫が真っ青な顔で帰宅。
「???何があった?どうした?」
説明すると
「・・・・あのな・・・心臓が止まると思ったじゃないか!!!」
と、怒鳴って、夫もヘナヘナ。
ごめん…本当にごめんなさい、ダーリン・・・・。
それにしても、わずか10分の間だったけれど、本当に地獄に突き落とされたかのような恐ろしさと絶望を味わいました。子どもが行方不明になったり、亡くなったりした親がどんな気持ちか、身にしみてわかった。2度と、いとしい、かわいい顔を見れない、抱きしめられない。そんな、至極の残酷がこの世には確かに存在するということ。そして、それはどんなに時が経っても決して癒されることのない深い悲しみであり、痛みだろう、ということも。
愛しい子どもたちよ、どこにも行かないでね・・・。