今回は、以下の3つのテーマで登壇しました。

 

【1】自転車走行空間の整備について

自転車のルールが来年春から厳格化されるのを前に、松戸市内は自転車フレンドリーな道路事情なのだろうか考えていました。自転車走行路の整備は、線(矢羽根)を引くだけでなく、安全に快適に走れる空間にすることが必要。だからこそ、市民の声を聞いてほしいという思いを込めて質問しました。

 

【2】学区外就学申立制度等について

たった一人の児童を救うことが、市内のこれからの子どもたちを救うことになるとの思いで質問しました。個別最適な学び、切れ目のない支援・・・目指すべき方向は定まっているのに、制度と制度の狭間にこぼれ落ち、これが叶わない児童がいます。

制度の改善を訴えました。

 

【3】常盤平地区の小中学校について

9月議会の一般質問で少し触れた常盤平地区の教育環境について、保護者たちが動き出しました!

子どもたちの学ぶ権利を守るため、小規模特認校設置の設置や、仮に統廃合をするなら卒業までのリードタイムを踏まえた計画とすることを求め、質問しました。

 

*常盤平地域の教育環境については、9月議会の報告動画でご確認ください。

【YouTube動画】議会報告2025/9④(常盤平地域について)

 

登壇の動画はこちらからご覧ください。↓↓↓

【YouTube動画】令和7年12月定例会一般質問<自転車走行空間の整備について><学区外就学申立制度等について><常盤平地区の小中学校について>

タイムスタンプを作成しました。概要欄をご参照ください。

 

現在の松戸市議会は、一般質問での登壇回数が3回に制限されています。

今回の私は第3質問まで行ったため、最後が学校教育部長の答弁で終わってしまいました。

違った角度から攻めたら、もう少し前向きな答弁がもらえたのではないか・・・と省みる日々です(涙)。
 

それでは以下に、質問事項ごとに整理した原稿および動画からの文字起こし文を公開します。

(実際の発言とは異なる部分がありますのでご了承ください。)

 

 

質問事項1 自転車走行空間の整備について

 

(質問:私の原稿)

公益財団法人自転車駐車場整備センターがR4年に、国勢調査からみる通勤通学時の自転車利用の動向調査を公表しています。松戸市は自転車と鉄道による通勤通学の人数が全国で21位、人口比率でも74位と、自転車利用に関する社会ニーズが高いまちのひとつです。そんな中、今年の9月に、「松戸市自転車走行空間ネットワーク整備計画」の改訂版が示されました。昨年、道路交通法が改正され、国交省と警察庁による「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」も改訂されたことを受け、見直されたものです。

本市は幼児同乗用自転車やヘルメットの購入費用を補助していたり、シェアサイクルを導入していたりと、自転車利用を促進する事業が充実していることを踏まえ、以下、お伺いします。

 

(1)計画の概要と策定段階における市民ニーズの把握について

 

先日、市民から六実地区の桜の根上がりについてご相談がありました。根上がりした歩道を自転車で走行した方が転倒し、救急車を呼ぶ大事になったというものです。根上がりについてはすぐに善処いただいたのですが、当該歩道は自転車も通行してよい自歩道から、歩道に運用ルールが変更となっていたことが分かりました。このことをどれだけの住民が知っているのかと思ったとき、自転車走行路を表示することで誘導できるのではないかと思った次第です。また、車道に出るのが不安、道路の端は傾斜や側溝、ゴミがあって怖いなどの声もいただきます。

計画に従い整備を着実に進めていただいていることは評価していますが、この計画はどのような方針に基づいて策定したのでしょうか。また、自転車利用者の声を反映して計画に織り込むことはできないでしょうか。

 

(2)「おしゃれな街まつどの実現に向けた取組み事業」との連携について

 

総合計画および総合戦略に基づき、若者世代や子育て世代から選ばれるまちを目指した施策の中に、「歩行者と自転車優先の街づくり」があり、自転車活用のビジョンづくりの一環として「自転車走行空間ネットワーク整備計画」が位置付けられています。しかし、計画には、こちらの取組みと連携している記述はありません。「おしゃれな街まつどの実現に向けた取組み事業」の現状と今後の方向性について教えてください。

 

(答弁:市長の原稿)

本市では、平成30年7月、歩行者と自転車の安全性や利便性の向上を目的として「松戸市自転車走行空間ネットワーク整備計画」を策定いたしました。

その後、本計画に掲げた優先的に実施する路線の整備が完了したことから、本年9月、その後の交通動向を踏まえ、同計画を改訂し、新たな計画路線の整備を進めております。

改訂した計画では、各地域間を結ぶ幹線道路、鉄道駅を結ぶ路線など、駅周辺の路線を選定しております。

なお、一般的な自転車走行空間の整備形態には、「自転車道」、「自転車専用通行帯」、「車道混在」型がございますが、本市では、整備を促進するため既存の道路幅員内に、自転車と自動車の走行空間を完全分離せずに整備を行う「車道混在」型を主に採用しております。

この「車道混在」型は、矢羽根と呼ばれる路面標示で、自転車の通行位置と進行方向を明示し、安全な通行を誘導する役割がございます。

道路交通法における自転走行のルールといたしましては、軽車両である自転車は、原則、車道を通行しなければなりませんが、自転車の運転者が13歳未満の方、又は70歳以上の方、若しくは、一定の身体に障害を有する方、あるいは、走行する道路が著しく自動車の交通量が多い、車道の幅が狭いなど、車道または交通状況からみて、車道を安全に通行することが難しいときは、歩行者の通行を妨げることができないように配慮した上で、歩道を通行することが可能とされております。この交通ルールの周知は、自転車走行空間を利用する際にも肝要と考えておりますので、今後、改めて本市ホームページにてご案内してまいります。

議員ご質問の計画策定段階における市民ニーズにつきましては、計画は道路管理者としての専門的な知見や安全性の観点により策定しておりますが、これまでに市民の皆様から頂いたご意見や要望も参考とし、計画を策定しております。

今後も引き続き、誰もが安全・安心に道路を通行できるよう、交通管理者とも連携を図り、整備を推進してまいります。

 

(答弁:総合政策部長の原稿)

質問事項1の(2) 「おしゃれな街まつどの実現に向けた取組み事業」との連携について、ご答弁申し上げます。

本市は平成25年の松戸市制施行70周年を記念して、ロゴマーク・スローガン・ステートメントを市民参加で決定し、そのステートメントとして「楽しく、おしゃれで元気な街。全ての人を柔らかく包み込む優しい都市、優しい人々。ここで始まる新しい暮らし やさシティ、まつど。」がございます。なお、現在もこのロゴマーク・スローガン・ステートメントを活用中です。

「おしゃれな街まつど」につきましては、「おしゃれなまち」を具体化させるために調査研究を行い、庁内検討チームで取り組みました。

その取り組みのひとつに「歩行者と自転車優先の街づくり」があり、関連する計画の「自転車走行空間ネットワーク整備計画」を推進しているところです。

庁内検討チームは既に終了しましたが、その検討の成果が現在の事業等に生かされています。

例えば、チームで検討した取り組みのひとつである「公共空間の利活用の促進」では、エリアマネジメント事業に生かされております。

以上、答弁といたします。

 

(意見要望:私の原稿)

道路管理者としての専門的な見地や安全性の観点から計画が策定されていることを再認識しました。建設部の果たすべき役割がハッキリしているからこそ、関連部署との連携が大変重要であると強く感じた次第です。

「おしゃれな街まつどの実現に向けた取組み事業」は5つの枠組みでできていますが、それぞれの検討の成果が現在の事業等に生かされているとのご答弁でした。ということは、4つ目の枠組みである「歩行者と自転車優先の街づくり」は、建設部所管の「自転車走行空間ネットワーク整備計画」に生かされなくてはなりません。

また、本市はR4年に「松戸市地球温暖化対策実行計画」を策定しており、移動手段の脱炭素化を推進すべく、歩行者や自転車が通行しやすい道路整備や利用環境の向上を図るとしていますので所管の環境部とも連携いただきたいと思います。

市民が安全・安心に、時におしゃれに、そして持続可能な社会のために、快適に自転車走行をするためには、市民ニーズの把握は必要不可欠だと思います。部署を横断した取組みですので、どこがリーダーシップを発揮していくのかも含めご検討いただき、引き続きご尽力いただきますようお願いいたします。

 

 

質問事項2 学区外就学申立制度等について

 

(質問:私の原稿)

松戸市では学校選択制を平成16年度から実施しています。指定校学区に隣接している学校であれば、理由は問わず学校を選択できる制度で、一般的に、学校ごとの特色や交友関係等を考慮して選べる等のメリットと、学校規模の偏りや登下校の安全、災害時対応などのデメリットがあるとされ、自治体ごとの導入状況は様々です。本市においては毎年、各校の実情に応じて受け入れ可能人数を設定しているため、人気校は抽選となり、直近のR8年度入学希望者は4.6倍、高い時では9.8倍という高倍率になっています。

この学校選択制とは別に、かねてより学区外就学申立制度があります。

これは、様々な事情や特別な理由により、指定校の変更を申し出ることができる制度で、教育委員会があらかじめ定めた申立事由に当てはまる場合に申請することができます。学校毎の受け入れ人数を設けずに運用していることに、児童生徒の利益を尊重する意思が感じ取れ、私はこの点を高く評価しています。

その上で、子どもたちを取り巻く環境の変化や多様化する価値観に対応できるよう、本制度のより柔軟な運用の必要性があると考え、お伺いします。

 

(1)学校選択制を採用している理由について

 

規制緩和が推進される中、平成9年、文部省より「通学区域の弾力化について」の通知が発出され、首都圏を中心とした一部の自治体が学校選択制を導入しましたが、継続しているところと条件を変更または廃止しているところもあり、状況は様々です。

そこで、以下お伺いします。

 

ア 本市が学校選択制を導入した目的、また継続している理由について教えてください。

 

イ 学区選択制アンケートについて

小中学校の1年生保護者を対象に隔年で実施しています。制度検証が目的とのことですが、検証結果をどのように受け止め考察していますか。なお、R3年度より紙ベースからWeb回答へ変更したことで回答率が半減していますが、結果への信頼性をどのようにお考えでしょうか。

 

(2)学区外就学申立制度の柔軟な運用について

 

こちらは先に述べたとおり、様々な事情や特別な理由により、指定校の変更を申し出ることができる制度で、学校選択制が持つ「選択の自由」より優先されるべき、「特別な配慮や支援、または救済」といった性質を持つ制度です。児童生徒が安全・安心な学校生活が送れるよう、申立事由の設定には十分な配慮が必要であることから、以下、お伺いします。

 

ア 本制度の導入目的と、申立事由の決定プロセスについて教えてください。

 

イ 申立事由の柔軟性について

今般、卒業を控えた6年生児童の保護者から相談を受けました。中学進学にあたり、

申立事由のいずれにも当てはまらないため、制度が利用できないというものです。

当該児童は5年前、学区外の小学校の特別支援級に入学しました。学校によって支援方針や体制が異なることを知り、本人に最良の環境を求めた結果でした。校長はじめ教職員の適切な支援の甲斐があり、当該児童は今年の2学期から通常級に移籍し、クラスメイトとも良好な関係で学校生活を送っています。そんな中、制度という壁が立ちはだかったのです。当該児童は環境変化に大きなストレスを感じる障害特性のため、療育の観点から環境を調整することが推奨されています。そこで、交友関係の継続性を求め、クラスメイトたちと同じ中学校に進学できるよう求めたのですが受理されませんでした。当該児童が進学を希望する中学校は、学校選択制において大変人気がある抽選常連校です。支援級から通常級に移籍したがために、この抽選に参加せざるを得なくなり、結果は落選。当該児童は間もなく、進学という大きな環境変化に加え、自身の障害特性への理解と支援を求めながらゼロから仲間づくりをしなければならない、大変困難な課題を抱えることになりました。

そこでお伺いします。

他の自治体においては、「特別に教育委員会が認めた場合」という申立事由があり、個々の事情・理由を考慮する柔軟性を担保しています。本市の制度にもこの申立事由を追加すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

(答弁:学校教育部長の原稿)

質問事項2、「学区外就学申立制度等について」の質問要旨(1)、(2)につきまして、順次答弁申し上げます。

まず始めに(1)アとイについて、議員ご案内の通り、国の学校選択制等就学校指定に係る制度の弾力化による学校基本法施行規則の一部改正を受け、本市では、保護者の意向や児童生徒に対する配慮、学校選択機会の拡大を図るため、平成16年度に学校選択制を導入し、安全に徒歩で通学できる範囲であることを条件に、指定校の学区に隣接する学区の学校への入学を認めております。

隔年で実施しているアンケート調査では、学校選択制を「よい制度」と考える保護者が9割を超えており、多くの方々に肯定的に捉えていただけていることなどもあり、制度を継続しております。

アンケートの回答方法につきましては、令和3年度に、それまで紙に記入して回答する方法から、QRコードを読み込んで回答する、デジタル化の時代に合った方法に変更しております。

回答数につきましては、今年度調査において、割合としては5割程度の方からご回答いただけており、行政調査としては標準的な回答率で、統計的に一定の信頼性があるものと考えております。

次に(2)アとイについて、学区外就学申立制度につきましては、家庭の事情、その他特別な理由により、通学区域の指定校以外の学校に就学を希望する場合に、指定校を変更できるよう制度化しているものです。

申立事由につきましては、家庭や児童生徒が抱える特別な事情に配慮し対応できるよう項目を定めており、個々の要望を丁寧に聞き取り、申立事由に該当するかどうか慎重に判断しております。

また、他の自治体においては、申立事由に「その他、特別に教育委員会が認めた場合」という項目を設けているとのことですが、本市においては申立事由に該当しない場合でも、学校選択制を活用し、隣接学区の学校を選択できるため、柔軟な制度設計になっているものと認識しております。

以上、答弁といたします。

 

(再質問:私の原稿)

学区外就学申立制度に柔軟性が必要だとお伝えしたことに対し、学校選択制がセーフティーネットとして機能していると認識されているようです。

しかし、現在の学区外就学申立制度は明らかに特別支援の視点が欠けており、制度と制度の隙間に落ちる児童をつくってしまいました。

文部科学省は令和4年度に「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」を設置し、9回に及ぶ議論を経て、検討会議報告をまとめています。そこには、通常級に在籍する障害のある児童生徒へのより効果的な支援施策の在り方について方向性が示されており、「一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うための格段の取組をお願いします」とあります。

また、文部科学省のホームページにはこうあります。

「特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものです」。さらにこう書かれています。「自治体においては、関係部局・関係機関の連携の下、特別な支援を必要とする子供に対して、就学前から就労に至るまで、一貫した支援体制の整備を図る必要があります。」

今回の事例において、当該児童に間もなく訪れる中学進学という大きな環境変化を可能な限り調整することこそ、教育委員会ができる適切な支援ではないでしょうか。

個々の要望を丁寧に聞き取り、申立事由に該当するかどうか慎重に判断しているとのご答弁をいただきましたが、家庭や児童生徒が抱える特別な事情も多様化する中、現在の申立事由そのものに足りない視点やニーズに備える必要があります。

そこでもう一度お伺いします。現段階で教育委員会が想定していない個々の事情・理由への柔軟性を担保するためにも、学区外就学申立制度に「特別に教育委員会が認めた場合」という申立事由を追加すべきと考えますが、ご検討いただけないでしょうか。

 

(再答弁:学校教育部長の原稿)

繰り返しの答弁にはなりますが、申立につきましては、家庭や児童生徒が抱える特別な事情に対応できるよう配慮しております。いただいたご相談におかれましては、個々の事情を丁寧に聞き取り、申立事由に該当するかどうか慎重に判断しているところですが、なかにはご要望に添えない場合もあることをご理解いただければと存じます。
以上、答弁といたします。

 

(再々質問:私の原稿)

切れ目のない支援が当たり前に求められる昨今において、本市の特別支援教育は、通常級に移籍した途端に支援の目・手がなくなる児童を生んでいます。本当にこれでよいのでしょうか。

今回の事例に限らず、教育委員会がまったく想定していない特別な事情は今後も発生する可能性があります。

私はこれが最後の登壇ですが、今一度お伺いします。

様々な事情を抱える子どもたちのために、学区外就学申立制度に柔軟性が必要です。個別に判断ができるよう申立事由を追加すべきです。お考えをお聞かせください。

 

(再々答弁:学校教育部長の答弁文字起こし)

まず通常級における特別な支援を要する児童生徒への対応でございますが、特別な配慮等につきましては、申し立てをいただいた段階で合意形成を図りながら進めているところでございますので、ご理解いただければと思います。繰り返しの答弁になりますが、申し立てにつきましては、家庭や児童生徒が抱える特別な事情に対応できるよう配慮しております。いただいたご相談におきましては、個々の事情を丁寧に聞き取り申し立て事由に該当するかどうか慎重に判断しているところでございますので、ご理解いただければと存じます。以上答弁といたします。

 

 

質問事項3 常盤平地区の小中学校について

 

先の6月定例会で常盤平地区の教育環境について質問いたしました。

「常盤平地域のまちづくり方針」における「新たな教育モデル」とは何かお伺いしたところ、今年度中に策定する「松戸市教育振興基本計画」に従い、地域住民や関係者の意見を聴きながら検討を進めていくとのご答弁でした。

これを踏まえお伺いします。

 

(1)「(仮)学びの松戸モデル(松戸市教育振興基本計画(第1期))」と「松戸市学校施設長寿命化・再整備計画・第1期」との整合性について

 

以下、「教育振興基本計画」と「学校施設長寿命化計画」と言わせていただきます。

「学校施設長寿命化計画」で、次のように述べています。

「今後10年間程度は長寿命化改修を中心に現状施設の維持や小規模校の活用の検討を行います。しかしながら、将来的には、学校の集約化、複合化、転用なども視野に入れ、児童・生徒数の動向や地域の実情に応じた学校施設の規模、配置計画等の検討を行っていきます。」

つまり、小学校45校、中学校20校の規模を維持し、児童数の少ない学校はその特色を活かした教育を、今後もしばらく行っていく方針だということです。

そんな中、11月12日開催の教育振興審議会において「教育振興基本計画」の答申案が示されました。

そこには、「生徒児童数が減少している学校では、クラス替えや切磋琢磨する教育活動などが困難であり、増加している学校では、学校施設を活用した教育活動の展開などが制約される」と分析したうえで、より魅力ある学校づくりに向け学校の適正規模・適正配置を含めた「(仮)新しい学校のあり方基本方針」(以下、「新しい学校のあり方基本方針」と言います)を策定するとあります。そして、この方針の実施計画として「地区計画」を順次策定するとし、向こう5年間で3地域程度の策定を目標としていることが分かりました。

これを踏まえてお伺いします。

 

ア「新しい学校のあり方基本方針」を策定するにあたり、すでに実行段階にある「学校施設長寿命化計画」との乖離が想定されます。両者の主従関係を教えてください。

 

イ「新しい学校のあり方基本方針」は、市全域を対象としたビジョン策定であるとの認識で合っていますか。また、「地域計画」の「地域」とは、市全域をどのような基準で分けたいくつの地域でしょうか。そして先行して取り掛かる3つの地域とはどこですか。

併せて、「新しい学校のあり方基本方針」と「地域計画」を策定するにあたっての基本的な視点と策定プロセスを教えてください。

 

(2)常盤平地区の教育環境整備に関する説明会について

 

10月2日に常盤平第一小学校(以下、「常一小」と言います)で開催された「常盤平地区の教育環境整備に関する保護者説明会」を皮切りに、教育委員会は、常盤平地区の小中学校や常盤平地区意見交換会終了後の会場において、新たな教育環境の整備方針を来年度から検討する旨、説明を行いました。そこでは、在籍児童数が減り続けた常一小が来年度から複式学級となる可能性があること、来年度に教育環境の整備方針を検討し、R9年度に方針を示す予定であることが示されました。常一小に限っては、入学時の教育環境から変更となることを理由に、他校への転校を認める旨の追加説明があり、転校意向調査票も配付されました。

教育委員会は「常盤平地区の教育環境をどうしていくか、来年度に検討を始めます」と説明したにすぎないのですが、参加した常一小の保護者からは、「きっと廃校にするから転校を促されたのだと思う」、「前教育長は大丈夫だとおっしゃっていたのに」と嘆く声が寄せられています。常盤平第二小学校の保護者からは「まだ何も決まっていないという説明だった。一体何のための集まりだったのか」という声もありました。また、地区意見交換会に参加していた町会長さんの中には、「もらった説明資料を他の人に見せてよいか聞いたら、常盤平地域の方になら見せてよいとのこと。なぜ隠すのか?」と教育委員会に不信感を抱く方もいらっしゃいました。さらには、「常一小はなくなるよと地元議員から言われたけど本当か?」と地域の方から問い合わせもいただきました。以上のように、常盤平の地域住民が不確かな情報に翻弄されている現状を踏まえ、いくつか伺います。

 

ア 説明会そのものの目的について

方針定まらぬ段階での説明会の目的は何だったのでしょうか。今起きているハレーションに対し、地域に暮らす人々、特に子どもたちへの対応は考えられないでしょうか。

 

イ 計画策定への市民参加・当事者参加のあり方について

現段階では市民参加を軽視していると思われても致し方ない状況です。少なくとも常盤平地域の計画策定にあたっては、単なる説明会ではなく実質的な市民間討議で進めるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 

(3)常盤平第一小学校の今後について

 

市内で最も在籍児童数の少ない常一小は、議会で幾度も取り上げられてきました。そのたびに、教育委員会は小規模校の有用性を説いてきました。しかし、「教育振興基本計画」の答申案には、小規模校への言及はありません。これは何を意味するのでしょうか。常一小の存続の可否をお伺いしても現段階ではお答えいただけないと思うので、以下、お聞きします。

 

ア 現在の在籍児童数とそのうち学区外から流入している児童数を確認させてください。

 

イ 11/21を提出期限として転校の意向調査を実施したと思いますが、転出希望者は何名ですか。

 

(答弁:生涯学習部長の原稿)

(1)  現在策定を進めている松戸市教育振興基本計画は、教育基本法第 17 条第 2 項に基づく地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画であり、市教育委員会の最上位計画となるものです。これを受けて令和  8  年度からは、より良い教育環境の整備をめざして、学校の全市的な適正規模・適正配置を含めた新しい学校のあり方に関する検討を始める予定ですが、検討に当たっては、市の財政状況や学校施設の長寿命化計画の内容等を十分に考慮しながら進めてまいりたいと考えております。

 

(2)  常盤平地区の教育環境整備に関する説明会は、10月2日に常盤平第一小学校において在籍児童の保護者を対象に開催し、その後は常盤平第二小学校、第三小学校においても同様に開催し、12月10日には常盤平中学校においても開催する予定です。

説明会の開催目的といたしましては、将来の常盤平地区における教育環境をよりよくしてまいりたいとの考えに基づき、常盤平地区の教育環境整備に関する方針を策定するための基本的な考え方について、本市の方向性を説明し、保護者の皆様にご理解とご協力をお願いするために開催しました。

内容といたしましては、第一に、常盤平地区全体の教育環境をよりよくするため、検討会議を設けて保護者や地域の方のご意見を伺いながら検討を始める予定であることをご理解いただくこと、その他には、常盤平地域の新たなまちづくりと連携しながら進めていくこと、検討に当たっては国が示している新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方を参考にすること、常盤平第一小学校の児童数が大きく減少し、これまで少人数の良さを生かした学校として教育活動を進めたいと考えておりましたが、今後も児童数は減少傾向にあり、これまでのような学校教育活動を続けていくことが困難な状況であり、複式学級になる可能性があること、などを説明いたしました。

来年度からの進め方につきましては、これから具体的に検討を進めるところでございますが、説明会での説明のとおり、検討会議を設けて保護者や地域の方のご意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。

 

(3) 常盤平第一小学校の 10 月2日現在の在籍児童数は、43名で、そのうち学区外から通学している在籍児童数は、22名です。 転校意向調査の結果につきましては、在籍児童の各ご家庭のご事情に配慮し、公表は控えたいと考えます。

 

(再質問:私の原稿)

来年度から検討する「新しい学校のあり方基本方針」は、市全域を対象とした教育ビジョンであり、適正規模・適正配置についても検討することが分かりました。これにより、「学校施設長寿命化計画」は見直し時期を待たずに改訂される可能性があると理解しました。

以下、ご答弁漏れがありますので再度お聞きします。

「地域計画」の「地域」とは、市全域をどのような基準で分けたいくつの地域なのか、また、先行して取り掛かる3つの地域とはどこなのか、お答えください。

また、「新しい学校のあり方基本方針」と「地域計画」を策定するにあたっての基本的な視点と策定プロセスについてもご答弁をお願いいたします。

 

(2)について、説明会の目的は、今後、検討会議を設けて保護者や地域住民の意見を聞きながら検討を始める予定であることを伝えることだった、とのご答弁でしたが、検討会議とは、保護者や地域住民と意見交換をしながら検討していく会議のことでしょうか、それとも、保護者や地域住民の意見を聞きつつ、別途、有識者や関係者で構成する会議のことでしょうか。検討会議の構成員は誰なのか、お答えください。

 

(3)について、実は半数以上の児童が学区外から流入しており、常一小は「選ばれている学校」であることがわかりました。少人数の良さを生かして教育活動を進めてきたことが評価されてのことではないでしょうか。

 

先日、常盤平地区の方から、市長、教育長、議長宛てに要望書を提出したとお聞きしました。説明会の内容に不安を覚え、常一小の存続を求めることにしたそうです。

教育長はもうお読みになりましたでしょうか。

 

要望書の一部を紹介させてください。常一小の存続を求める理由が、以下のとおり八つも列挙されています。

 

① 小規模校だからこそ、大人数の中では自分を出すことが出来ない子どもが安心して通うことができること。

② 小規模校だからこそ、生徒一人ひとりが主役となり活躍できる場があること。

③ 多様な子どもたちが在籍し、一人ひとりが関わりを深く持つことができること。

④ 大人の目が行き届きやすく、先生が一人ひとり丁寧に指導することができ、学習面、生活面で安心できること。

⑤ 先生との距離が近く、子どもが自ら相談することができること。

⑥ 保護者と先生も距離が近く、相談しあえるため、子どもが安心して通うことができること。

⑦ 学校はただ勉強をする場ではなく、子育ての場として、先生と保護者で子供たちを見守り、育てていることが実感されること。

⑧ 常一小に通っている子どもたちの中には、ここだから通うことのできる子どもがいること。転校先があっても転校を選ぶことができない子どもがいること。

 

この切実な要望を踏まえてお聞きします。

市全域を対象とした適正規模・適正配置を検討する上で、常一小のような小規模校への進学を望む子どもたちのために、市内どこからでも受け入れ可能な小規模特認校の必要性を盛り込んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。

また、地域計画の策定において、万が一、常一小の存続が難しいとなった場合でも、在校児童が望むなら常一小で卒業を迎える権利を保障すべきと考えます。お考えをお聞かせください。

 

(再答弁:生涯学習部長の発言文字起こし)

新しい学校のあり方に 関する検討と常盤平地区の教育環境整備に関する検討の内容や議会の進め方は、先ほど答弁いたしましたが、来年度からの着手でございますので、ただいましっかりと準備を進めております。また各検討内容及び常盤平第一小学校の今後について多くのご意見やご質問をいただきましたことは真摯に受け止め、今後全市的な視野に立ち、より良い教育環境の実現に向けて、詳細を検討してまいりますのでご理解くださるようお願いいたします。

以上答弁といたします。

 

(意見要望:私の原稿)

質問事項3について、常盤平地区をはじめ、市内の新たな教育環境に関する検討は、何も始まっていない、すべてこれからであると理解いたしました。検討会議は、住民が主体的に参画できる形式で進めていただきますよう強く要望いたします。対話による合意形成と、子どもたちの教育環境に配慮した充分なリードタイムを確保する方向で検討をお願いします。当事者の思いを置き去りにしたまちづくりは、いい結果をうみません。どうぞよろしくお願いいたします。