「大丈夫だよ、何もなかったもん。」

急いで話題を変えて、なんでもないなんでもない、って。
なんでだかわかんないけど、涙がでそうで、声の出方がおかしかった。
でもなんでもないもん。

…胃は、ずっと痛い。
昼のお弁当も、夜のおうどんも、捨ててる。
毎日散々手ぇ切って、
今日の傷は、まだ、塞がってない。
学校で、みんな帰ったあと、泣いて。
まりこが遠くなって、泣いて。
ピアノをサボって。
さみしくて、さみしくて。

でもおうちは安心する。
保健室の先生はわからんちんで「自分に言い聞かせてるだけだよ」とか言うけど、ほんとにおうちでは元気なの。
胃はやっぱり痛くて、
夜はさみしいけど、
おうちはほっとする。

なのにお母さん、お母さん。
「ママが刷り込んじゃったんだよ、真っ直ぐにしか受けられないおまえに。
おまえを苦しめたのも、理解できないおまえを許せなかったのも、おまえから自信を奪ったのも、確かにママなのに。
気づかないうちに、刷り込んじゃって、おまえの敵まで奪っちゃった。
ママを恨めれば良かったのに。
ママをおまえの正義にしちゃった。」
なんて、言われたって、
どういう意味か、よくわかんないよ。
どうすればいいの?
お母さん間違ってないよ。

私ほんとにね、なんでもないの。
大丈夫だよ。
なんの病気でもないよ。
ちょっと弱虫で、寂しがり屋なだけ。

早く血が止まると、いいな。
今日久々に保健室の彼がピアノを弾いてくれた。

やっぱり、心を揺さぶる叫びの音。
感情を伝える傷だらけの手が、生きた音を奏でてた。

聞いてるだけで、なぜかすっとして、

三階だってのに、

飛び降りたくなった。

今までそんなこと、
思ったことなかったのに、

死ぬのはずっと、怖かったのに、

飛び降りることが、
とてもとても、魅力的に思えた。



…ああ疲れた。

このまま昔の正常な私に戻れないなら、
気違いのまま生きていたくない。

疲れた。

本当にもう、疲れたよ。
もう

ぜんぶぜんぶ捨てて

消えてしまいたい


跡形もなく

消えちゃえ
わからないことばかり
わからないってことすらわからない
わかってないことに気づかない

もうぜんぶ捨てちゃいたい

努力し続けるの、しんどいよ

わからないことみんな、覚えても
それが通用しないことがいっぱいで
違うことだらけで覚えきれなくて
応用なんかできないし
覚えた公式が使えない場合がわからない
なんでこれだけ特別なの
なんであれだけは違うの
こうだったらこうって、折角覚えたのに

どうしていいかわかんないよ

人の気持ちなんかわかんないよ


ぜんぶぜんぶ、捨てちゃいたい
いつの間にか、気づいたらラベンダーの匂いに依存してた。

M子からもらったラベンダーテディがはじめかな、保健室の彼にもラベンダーの匂いがするまくらもらって、すっかり依存してたことに、今気づいた。
ついついラベンダーのサシェ買っちゃったり。

もらったもの自体にもすごく依存しちゃう。察しにくい気持ちと違って、物はわかりやすいから。くれた、もらえた、って事実に依存しちゃうのかな。

う~んしかし、嬉しいな。
にやにやしちゃう(笑)。
誕生日プレゼントあげたら半年遅れの誕生日プレゼントもらっちゃった。
私がジャック好きなの、覚えてたんだなー…。

あぁ嬉しv